Snowflakeの製品管理担当幹部が考える「生成AI×DWH」の新たな可能性
今回は「Snowflakeの製品管理担当幹部が考える「生成AI×DWH」の新たな可能性」についてご紹介します。
関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
データクラウドをSaaSで提供するSnowflakeは5月、Googleの出身者が設立した検索スタートアップのNeevaを買収すると発表。Neevaは大規模言語モデル(LLM)と生成AIを手掛けており、今後はSnowflakeのデータクラウド全体に同社の有する技術を活用する計画だと明かしている。
生成AIが、データウェアハウス(DWH)をはじめとする同社サービスをどのように加速させ、また企業のどのような課題解決に寄与するのか、Snowflake 製品管理部門担当 シニアディレクターのTorsten Grabs氏に話を聞いた。
–生成AIとDWHの融合により、どのような変革が見込めるのでしょうか。
生成AIとDWHは素晴らしい組み合わせであり、これらの掛け合わせによるメリットは大きく「生産性の向上」と「データの価値向上」になる。生成AIにより、ユーザーは自然言語を使用して以前よりもはるかに簡単にコンピューターと有意義なやりとりができるようになる。例えば、検索の際に質問を幾つか繰り返すことで、結果を段階的に絞り込める。さらに、生成AIはSQLやPythonなどのアプリケーションコードの作成に役立つ、開発者やコーダーの生産性向上にも寄与する。
また、企業が保有するデータから新たな価値を見つけ出すことも容易になり、既存のデータをより意味のある、充実した価値のあるものへと昇華できる。例えば、Snowflakeなどのデータ基盤に非構造化データが保管されている場合、生成AIによってドキュメントや画像、写真から必要な要素を簡単に抽出できるようになる。
–それらが特に経営者層にもたらすメリットは何でしょうか。
「従業員の生産性向上」と「既存データの価値向上」が挙げられる。前者については、例えばSnowflakeで実行するSQL文を生成AIで作成した場合、作成に必要な時間は半分程度になる見込みだ。これは、開発者が従来の2倍の生産性を実現できることを意味する。後者については、既存のデータからより多くの考察を得られるようになるため、経営層は自社ビジネスをより深く理解できるようになる。
–生成AIを活用する際のデータの安全性についてはいかがでしょうか。
企業にとって、データのプライバシーやコンプライアンスの保証と、LLMの活用の両立は大きな課題である。われわれはこの解決策として、データを保存・管理している場所にコンピューティングリソースを用意し、LLMと生成AIを実行することを提案する。データ基盤のセキュリティ境界内で生成AIを実行することで、プライバシーとガバナンスを保証できる。われわれのサービスで言えば、Snowflakeプラットフォーム内でLLMを実行するということだ。
–多くの日本企業がデータのサイロ化に直面していますが、このような状況下でSnowflakeを選択し、生成AIを活用するメリットは何でしょうか。
大きなメリットは、今お話ししたように組織のセキュリティ境界内にLLMと生成AIの実行環境を構築できることだ。そうすることによりデータの漏えいを防止できる。また、サイロ化したデータがさまざまな場所に点在している場合、それらのセキュリティ権限/ポリシーはバラバラな状態にある。しかし、LLMを含むコンピューティングをSnowflakeに導入してSnowflakeアカウント内で実行する場合、データ全体に同じセキュリティ権限/ポリシーが適用されるため管理も楽になる。
当社は、「組織は機密データと知的財産(IP)を安全に維持できる信頼性の高いプラットフォームを持つ必要がある」という信念に基づいて開発努力を重ねている。「ペイメントカード業界向けのデータセキュリティ基準」(PCI DSS)や「医療保険の携行性と責任に関する法律」(HIPAA)をはじめ、国や地域に応じた多数のセキュリティ認証を取得している。
–生成AIの活用を踏まえた、今後のサービス展開について教えてください。
われわれは現在、LLMと生成AIがもたらすイノベーションの始まりに立っている。今後は順次、Snowflakeユーザーのコーディングを支援する機能を導入していく。ドキュメントのインテリジェンスも自動化し、生成AIを使用してそれらをより強力にするつもりである。
また、「Streamlit」の統合により、ユーザーやアプリケーション開発者はLLMを活用した会話型ユーザーインターフェイス(UI)を構築できるようになるだろう。6月26~29日に開催される年次カンファレンス「Snowflake Summit 2023」では、LLMや生成AI向けのプラットフォーム機能の検索統合についても詳しく話をする予定だ。
–最後に、日本企業にメッセージをお願いします。
この分野には多くのビジネスチャンスが存在する。そのため、経営層の皆さまは生成AIから最大の利益と価値を得られる組織づくりや、ビジネスにおける具体的な取り組みをいち早く始めていただきたい。
日本企業にとって、データのプライバシーとセキュリティの担保が最優先事項であることは重々理解している。しかし、私が強調したいのは、リスクという一面だけを見ないでほしいということだ。リスクと同時に多くのチャンスも存在する。生成AIのメリットを知り、リスクを理解することで適切なリスクマネジメントが可能になる。ちゅうちょしている間に機会損失をしないよう、なるべく早く取り組みを開始すべきだ。