データ仮想化のビジョンは創業以来変わらず–DenodoのヴィーニャCEO
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Denodo Technologiesは、7月6日に都内で「Denodo DataFest 2023」を開催した。同イベントに合わせ、創業者で最高経営責任者(CEO)のAngel Vina氏が来日。同氏にグローバルの製品戦略や最新の事業状況を聞いた。
同社は、米国カリフォルニア州中部の都市パロアルトに拠点を置くソフトウェアベンダー。1999年の創業で、データ仮想化プラットフォームを提供する。Vina氏によると、同氏がスペインの大学で教授として研究していたリアルタイムシステムと仮想データベースのテクノロジーがベースとなっているという。
「Denodoのデータ仮想化プラットフォームは誕生から20年以上が経過した今でも当時とビジョンは同じだ。もちろん、その間にさまざまな機能の拡充や性能の向上、クラウド環境への対応、セキュリティ/コンプライアンスの強化などを図ってきた」
同社のプラットフォームは、Gartnerをはじめとするさまざまな調査機関や顧客企業から高い評価を得ているとのこと。「創業当時のビジョンを、24年の流れの中で徐々に進化させてきた。われわれの技術基盤をとても誇りに思っており、将来に向けて情熱を持って開発を続けていく」(Vina氏)
現在、同社は世界24カ国で事業を展開しており、従業員数は800人を超える。2022年の財務状況は前年比32%増と好調で、顧客数は1万1000社以上。「Fortune 500、Global 2000に選出される多数のエンタープライズ企業が顧客になっている」という。
また、事業戦略として重視するのがパートナーとの技術連携である。ビジネスインテリジェンス(BI)やデータ品質、データモデリング、データウェアハウス、データガバナンス、セキュリティ、プライバシーなど、さまざまな領域でアライアンスを組んでおり、Denodoはデータとアプリケーションをつなぐ中間レイヤーとしてエコシステムを形成している。
同社は世界300社以上とパートナー契約を結んでおり、日本市場では日鉄ソリューションズ、ジール、大日本印刷(DNP)、NSW、日立ソリューションズ、インサイトテクノロジー、NTTデータ、NTTデータ グローバル・サービス、SCSKの9社と連携している。今後も何社か加わる予定とのこと。リージョナル・バイスプレジデント&ジャパン・ゼネラルマネージャーの中山尚美氏は、国内の導入企業としてKDDIとNECを挙げた。
シニアバイスプレジデントで最高マーケティング責任者(CMO)のRavi Shankar氏は、直近の製品強化の取り組みについて説明した。「ChatGPT」をはじめとする生成AIが大きな話題となっているが、Denodoでも大規模言語モデル(LLM)を活用した機能を製品に組み込んでいるという。
例えば、ユーザーが自然言語を用いてDenodoデータカタログ内で必要なデータの説明を書き込むと、ChatGPT APIが呼び出され、SQLクエリーが自動生成される。また、そのクエリーがどのように生成されたかも分かるようになっている。
もう一つは、オープンソースの分散SQLエンジン「Presto」をベースとした独自の大規模並列処理(MPP)エンジンになる。Prestoは、Denodoを補完するのに最適なテクノロジーといい、「Amazon S3」や「Azure Data Lake Storage」「Hadoop Distributed File System」(HDFS)といったデータレイク全体にわたって、大規模なクエリー実行を可能にする。
Shankar氏は「今後も革新的なテクノロジーやプロダクトの開発を続けていく」と強調した。