NEC、企業と社会のサステナブルな成長支えるESGの取り組み公開
今回は「NEC、企業と社会のサステナブルな成長支えるESGの取り組み公開」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、カーボンニュートラル(脱炭素)等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
NECは、2022年4月以降のESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを「ESGデータブック2023」で公開した。
ESGデータブック2023では主な取り組みとして、(1)ESG視点の経営優先テーマの強化、(2)環境リスク対応と事業の推進、(3)セキュリティ強化と人的資本の分析など社会分野の取り組みの高度化、(4)ガバナンスの強化――を挙げる。
(1)では、企業と社会のサステナブルな成長を支える非財務(ESG/将来財務)基盤の強化に向けて取り組むべきテーマ「マテリアリティ」を7つ特定し、取り組みを進める。2023年度からは、7つのマテリアリティをリスクの低減と成長率の向上に向けた「基盤マテリアリティ」と位置付けた。また、2025中期経営計画における成長事業と次の柱となる成長事業が創出する社会・環境テーマを成長・機会の創出と成長率向上に向けた「成長マテリアリティ」として5つのテーマに整理した。
(2)では、2022年7月、CDP(Carbon Disclosure Project)気候変動の「A」評価の継続獲得とScope 1、2の二酸化炭素(CO2)排出削減率をサステナビリティーパフォーマンスターゲット(SPTs)として、同社初のサステナビリティーリンクボンド(SLB)を起債した。
2022年9月には、2050年にサプライチェーン全体のCO2排出量を実質ゼロとする目標を10年間前倒しとなる2040年目標達成に見直し、「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」に署名した。これを受けて、2023年度に記載するSLBのSPTsも目標レベルの高いものに更新。さらに、自社での先進的な取り組み成果やノウハウを脱炭素化に貢献する製品やサービスの創出へつなげ、それらの提供を通して顧客や社会全体の脱炭素化につなげる体制・プロセスも強化した。
(3)では、経済産業省のサイバーセキュリティ経営ガイドラインVer 3.0や米国国立標準技術研究所(NIST)のサイバーセキュリティフレームワーク1.1版に準拠した対策を推進し、取り組み状況を「NEC情報セキュリティ報告書」で開示した。2022年度は、日本IT団体連盟よりセキュリティ対策で特に優良で模範となる企業として最高位となる「二つ星」を獲得した。
また、人的資本経営の有効性確認と施策改善につなげることを目的に、2025中期経営計画の重要業績評価指標(KPI)の1つであるエンゲージメントスコア向上につながる取り組みを因果分析で明らかにした。今後も非財務施策の有効性の確認と改善のループを回し続けることで、企業価値向上につながる非財務の取り組みを再特定し、適切に投資を配分していくとした。
(4)では、監督と執行の分離と取締役会の監督機能の強化に向け、2023年6月から、監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行。取締役会は過半数を独立社外取締役で構成し、独立社外取締役が指名委員会・報酬委員会・監査委員会の各委員長を務めることで、経営の透明性・客観性の向上を図る。業務執行に関しては執行役に大幅な権限委譲を行うことで、意思決定と実行を迅速化する。
執行側のガバナンス強化の一環で、チーフリスクオフィサー(CRO)主導での全社横断的リスクマネジメント体制を整備したほか、同年7月からは、内部監査機能の強化に向けてチーフオーディットオフィサー(CAO)を設置している。