元グーグルの著名AI研究者2名、東京で「Sakana AI」を立ち上げ
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Google出身の人工知能(AI)研究者であるLlion Jones氏は、元同僚で研究者のDavid Ha氏と共に、AI企業Sakana AIを東京で設立したことを発表した。
Sakana AIのウェブサイトには次のように書かれている。「われわれは、自然から着想を得た知性に基づく、新しい種類の基盤モデルを創造している」
Googleで12年間勤務したLlion Jones氏は、2017年に8人で共著した研究論文「Attention Is All You Need」を発表した。この論文では、最新の生成AIの中核をなす深層学習モデル「Transformer」について説明している。生成AIブームの火付け役となった「ChatGPT」の技術基盤である「GPT」は、「Generative Pre-trained Transformer」の略で、独自にテキストを生成(generate)できること、およびGoogleが開発したAI技術「Transformer」を利用していることにちなむ。
Googleは現在、大規模言語モデル(LLM)を含む生成AIを、同社の検索エンジンやYouTube、その他の製品に組み込むことを火急の要件としている。LLMは情報を要約したり、入力された質問に対して、人間のような回答を返したりすることができる。
Jones氏はCNBCとのインタビューで、新たな企業を立ち上げることについて、Googleに対して悪意はなく、同社のような巨大企業では自分が追求したいことができなくなったからだと説明し、「大企業ではよくあることだ」と語った。「自分がしたいことは達成できないと思うまでに、官僚主義がまん延してしまった」(同氏)
Jones氏は、同社が「この1つの技術に全社的に」集中しているため、「非常に制約の多い枠組み」となっており、革新を行うのが困難になったと語る。
David Ha氏は、2022年にGoogleを退社し、新興企業Stability AIの研究責任者を務めた人物だ。同氏は、Sakana AIを単にLLMを手がける企業にしたくないと語る。
OpenAIは、Microsoftやその他の投資家から数十億ドルを調達して、生成AIをメインストリームに乗せることに成功した。しかしJones氏とHa氏は、その結果同社が「非常に大規模に、そしてやや官僚的に」なってしまい、Google内のグループと変わらないとみている。
現在、Sakana AIは学術分野の研究者をパートタイムで迎えており、今後雇用する人材を増やす計画だ。Googleの元社員は、「まだ」起用していないという。