AWSジャパン社長が語る「LLM開発支援プログラムへの強い思い」とは
今回は「AWSジャパン社長が語る「LLM開発支援プログラムへの強い思い」とは」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、AWSジャパン 代表執行役員社長の長崎忠雄氏と、Colt Technology Services CMOの水谷安孝氏の発言を紹介する。
アマゾンウェブサービスジャパン(AWSジャパン)は9月4日、同社が7月3日に発表した「AWS LLM開発支援プログラム」の採択企業と共に、活動開始のキックオフ会を東京・目黒オフィスで開いた。長崎氏の冒頭の発言はそのキックオフ会の挨拶で、参加した採択企業の開発者をはじめとした関係者に向けて述べたものである。
同プログラムは、日本の法人組織を対象にジェネレーティブAI(以下、生成AI)の大規模言語モデル(LLM)開発を支援するAWSジャパンの独自施策。LLM開発を行うための計算機リソース確保に関するガイダンス、AWSサービス上でのLLM事前学習に関わる技術的なメンタリング、LLM事前学習用クレジットおよびビジネス支援などのサポートを提供するとしている。
詳細は、同社が7月3日に開いた同プログラムの発表会見の内容を記した関連記事をご覧いただくとして、ここではキックオフ会での長崎氏の発言に注目したい。
キックオフ会では同プログラムの採択結果の発表に加え、AWSジャパンから今後の活動内容や具体的な支援体制の説明があった。また、採択された17社からも意欲を示す発言が相次いだ。採択企業は表1の通りである。
長崎氏は挨拶で、「AWS LLM開発支援プログラムは国内に拠点を置く皆さまを対象に、AWSジャパンとして独自に開発したものだ。ここから生まれたLLMによって誰もがAIを活用できるようになり、その動きがどんどん加速し、ひいては日本にとどまらず世界中に広がっていく。このプログラムにはわれわれのこんな思いを込めている」と、強い思いを語った。
さらに、「このプログラムについては、多くの応募があった中で、今回は17社の皆さまと一緒に活動させていただくことになった。プログラムの内容に賛同し、興味を持っていただき、これから一緒に新しい未来を創っていく。その歩みを共にできることを大変うれしく思っている。このプログラムを最大限活用していただき、皆さまと一緒に日本の技術の発展に貢献していきたい。そして最終的には、日本で開発されたLLMが世界へ羽ばたいていけるように支援していきたい」と述べた。
冒頭の発言は、このコメントから抜粋したものである。グローバルにビジネスを展開するAWSならではの発言であるとともに、長崎氏の「日本から世界へ羽ばたくLLMを」との思いが伝わってきた。
一方で、生成AIを活用したビジネスが日本でも大きく広がる中で、AWSによるこの分野でのエコシステムづくりの一環とも見ることができる。果たして、世界に羽ばたくような日本発のLLMが出現するか、注目していきたい。