クラウド化に成功する企業–HashiCorp CEOが語る共通点
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クラウドインフラ管理製品を提供するHashiCorpで最高経営責任者(CEO)を務めるDave McJannet氏は、同社の年次カンファレンス「HashiConf 2023」開催に当たり報道陣に向けて会見を開いた。
インフラソフトウェアの世界に約25年、オープンソースインフラソフトウェアの世界に約15年以上携わる同氏は、オープンソースモデルにおいて持続可能な長期的パートナーとなるためには、ライセンスモデルがどのように進化する必要があるのかを痛感しているとする。HashiCorpは非常に強力な視点を持ち合わせ、他の多くのベンダーはそれに追随することになるという。
同社がいる市場には基本的に3つのカテゴリーがあるとMcJannet氏。プリプロダクションにおけるアプリケーションライフサイクル管理、プロダクションにおけるインフラストラクチャーライフサイクル管理とセキュリティライフサイクル管理だ。そして、これらに監視が加わる。
これら3カテゴリーは全てモダナイズされているが、インフラ層においては、プライベートなデータセンターからクラウドに移行したことで、ライフサイクルをどうすればよいのかを誰もが考えているという。そのためには異なるツールが必要になるとMcJannet氏。「お金があるのはこの市場。アプリケーションライフサイクル管理は年間50億ドルの市場だったが、インフラストラクチャーライフサイクル管理はおそらく年間5000億ドルの市場」(同氏)
どの企業もモダナイズを進めているが、同社が注力する分野は、インフラストラクチャーライフサイクル管理とセキュリティライフサイクル管理で、前者では「Terraform」「Waypoint」「Nomad」「Packer」、後者では「Vault」「Consul」「Boundary」といった製品を投入している。クラウドやエッジといった新しい世界で、これらライフサイクルをどう管理するかを考えようとしているという。
現在、クラウド化が進んでいるが、上手くいく場合もいかない場合もある。7〜8年かけて分かったのは、どうすれば成功するかは驚くほど共通しているとMcJannet氏は述べる。ツール、人、プロセスの変革を三位一体で進める必要があるという。
実際には、全ての出発点はツールの変更で、新しい世界には新しいパラダイムが存在するためと同氏。インフラをプロビジョニングする場合、プライベートデータセンターでは「vSphere」をより多くプロビジョニングするが、クラウドではAmazonなどのプロバイダーに命令セットを与える。セキュリティでもデータセンターでは境界型を基本としていたが、クラウドではアイデンティティーが重要になる。
新しい原則という考え方には疑いの余地はなく、顧客も自分たちが考えていることと同じと理解を示す。このような動きを反映したツールのモダナイズを同社では進めているが、ベンダーとしての役割は2つあるという。1つ目は、そのコンセプトに対して同社が持つ特定の視点を中心に標準化を推進することで、2つ目は、クラウドが共有サービスとして機能する組織構造において実行可能な製品のバージョンを構築することだ。