日本製鉄、生産計画システムを開発–クラウド利用で立案を数時間から分単位に
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日本製鉄は10月25日、日鉄ソリューションズ(NSSOL)と共同で数理最適化技術を応用した製鋼工程の生産計画を立案する「出鋼スケジューリングシステム」を開発したと発表した。計画立案の時間を数時間から数分程度に大幅短縮し、既に東日本製鉄所君津地区(千葉県)で本格運用している。
この取り組みは日本製鉄のDX戦略の一つといい、鉄鋼業の生産プロセスで基幹となる製鋼工程を高度化するものという。製鋼工程の生産計画は、単純計算では10の300乗という選択肢の中から最適な計画を導き出す必要があり、これまで熟練技能者が自身のノウハウ(暗黙知)を生かして、実明細(スラブ1本)単位に試行錯誤しながら計画を立案していた。最適な生産計画の条件は受注動向や設備稼働計画などによっても変化するという。
出鋼スケジューリングシステムは、熟練技能者の暗黙知をデータや条件として形式知化して数理最適化技術を応用したアルゴリズムにより、計画立案時間を70%削減するとのこと。また、前提条件をさまざまに変更して複数の計画案を作成し、計画担当者がその評価や修正、最終計画の確定などの業務の質を向上させた。計画を高速作成できる特性を用いて、下流工程への影響評価、業務前提の変化時の迅速な再スケジューリング対応なども可能にしている。
同システムは、数理最適化処理にパブリッククラウドを採用し、複数の計画案を短時間で策定するために、高性能CPUによる並列計算などを適時行える仕組みで構築しているという。日本製鉄は今後、君津地区から各製鉄所にこのシステムを順次展開し、全社で生産計画の一元化を進め、生産計画DXを具現化していく。