広島大とNEC、COVID-19患者の情報を自動連携する仕組み構築
今回は「広島大とNEC、COVID-19患者の情報を自動連携する仕組み構築」についてご紹介します。
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広島大学とNECは、個々の病院で電子カルテシステムに入力された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の情報を、広島県の感染症サーベイランスシステムに自動でデータ連携する仕組みを構築したと発表した。
両者はこの仕組みを活用し、医療従事者の負荷軽減と感染症情報収集の効率化を目指す実証を共同で開始した。NECによると、病院の電子カルテデータを自動で連携する取り組みは全国で初めてだという。同実証には、広島赤十字・原爆病院や広島県医師会、広島県健康福祉局などが協力している。
従来、医療機関と自治体とのCOVID-19患者に関する情報共有は、医療従事者が各自治体の感染症サーベイランスシステムに手入力して行われる。医療現場では、各病院で電子カルテシステムへの感染者情報の入力も行っているため、入力作業が二重に発生してしまい、医療従事者の業務負荷や自治体への報告の遅延などが課題となっている。また、各病院から収集した情報を基に自治体が週次で作成する感染症レポートはメールで配信されるため、電子カルテシステム上で参照できず、医療現場でのタイムリーな活用が難しいという問題もある。
実証では、NECの電子カルテシステム「MegaOakHR」に、広島大学大学院医系科学研究科 公衆衛生学が知見を持つ感染症の報告様式(広島県COVID-19版J-SPEED)を組み合わせて行う。
具体的には広島赤十字・原爆病院において、COVID-19患者の情報を電子カルテシステム上の広島県COVID-19版「J-SPEED」テンプレートに入力する。この情報は、広島県医師会が管理する地域医療ネットワーク「HMネット」を通じて自動的に感染症サーベイランスシステムに連携・登録される。また、収集した情報を基に広島県健康福祉局が作成する感染症レポートを電子カルテシステムに連携する。NECは将来的に、COVID-19だけなくさまざまな感染症情報収集の汎用的な仕組みとして全国に拡大することを目指している。