「データ管理のためのAI」と「AIのためのデータ管理」を支援–インフォマティカ・ジャパンの渡邉社長

今回は「「データ管理のためのAI」と「AIのためのデータ管理」を支援–インフォマティカ・ジャパンの渡邉社長」についてご紹介します。

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 この1年でAIツールの進化が急速に加速し、さまざまな場面で広く活用されるようになった。その一方で、AI導入の成功を左右するデータ管理に十分な注意が払われていないという課題も存在する。インフォマティカ・ジャパンの代表取締役社長の渡邉俊一氏に、データ管理やAIに関する昨今の動向や2024年の事業戦略などについて聞いた。

–インフォマティカ・ジャパンの代表取締役社長に就いてから1年以上がたった。この1年を振り返ってどうだったか。

 2022年7月の就任からあっという間だった。この1年で印象に残っているのは、クラウド、AI、データという3つの領域で市場の需要が急激に高まったこと。私はこれらの領域に強みを持つInformaticaに参画できたことを幸運だと思っている。

 また、私が代表になってから、生成AIという新しい技術が注目されるようになった。Informaticaがこの分野でリーダーになれるように努めている。この1年は、私自身と自社にとって挑戦と成長の年だった。

–生成AIはInformaticaにとって追い風となるか。

 Informaticaにとって、生成AIは大きなチャンスである。なぜなら、われわれは2017年から「CLAIRE」と呼ばれるAIエンジンを自社製品に組み込んでいるからだ。

 Informaticaが取り組んでいるAIには、2つの側面がある。1つは「データマネジメントのためのAI」、もう1つは「AIのためのデータマネジメント」になる。「データマネジメントのためのAI」は、データ管理の効率化や品質向上を目指すもので、個人情報の自動分類や自然言語でのデータ品質管理などが具体的な例になる。これらの領域でCLAIREが活用されている。

 一方、「AIのためのデータマネジメント」は、生成AIなどの高度なAIを安全かつ正確に利用するために必要なものになる。生成AIは、「ガーベイジイン、ガーベイジアウト(ゴミを入れたら、ゴミが出てくる)」やハルシネーション(事実と異なる情報を出力すること)といった問題を引き起こす可能性がある。そこで、Informaticaは、生成AIに適したデータを提供したり、生成AIの出力を検証したりすることで、信頼性や品質を担保する役割を果たしている。

 「データマネジメントのためのAI」と「AIのためのデータマネジメント」は、相互に補完し合う関係にある。われわれは、この両方をバランス良く実現することで、エコシステムとしてサイクルを回していくことができる。これが自社の強みだと自負している。

–AI活用におけるデータマネジメントの重要性は?

 Informaticaはデータマネジメントのリーディングカンパニーとして、米国で30年、日本で20年の実績を持っている。データ変換の分野では、ETL(抽出、変換、ロード)の「Informatica PowerCenter」をはじめとする優れた製品を提供してきた。国内では500社以上の顧客に支持されている。また、データ品質や統制、データカタログなどの分野でも、AI技術を活用した革新的なソリューションを展開している。

 その中でも注目されているのが、前述のCLAIREになる。Informaticaのデータマネジメントプラットフォーム「Intelligent Data Management Cloud」(IDMC)で稼働し、36ペタバイトもの統合メタデータインテリジェンスを活用して、データマネジメント作業を自動化し、生産性を向上させることができる。

 AI活用にはデータマネジメントが必要不可欠であり、データの品質や統制が不十分だと、AIの精度や信頼性の低下を招いてしまう。また、オープンな生成AIを活用する場合にも、データの管理や利用に関するルールや倫理が必要になる。Informaticaは、データの民主化を推進するとともに、データの品質と統制を確保することで、企業や事業の差別化に貢献している。

–IDMCについてはどのような機能強化が図られているのか。

 2023年5月に米国で開催した年次会議「Informatica World 2023」で、「CLAIRE Co-pilot」と「CLAIRE GPT」という2つの製品開発を発表した。

 CLAIRE Co-pilotは、データマネジメントに関するより多くのタスクとプロセスを自動化し、データ全体を通じて可観測性を向上させる。これまでも、CLAIREの支援によってデータの品質・統制、パイプラインの生成、マスターデータ管理など、特定の機能を自動化できていたが、コパイロット機能として、手動入力不要の生成分類、データ系統の推定、完全性分析、自動マッピングの各種機能が追加された。

 CLAIRE GPTは、生成AIを搭載した次世代版の製品として、自然言語に基づくインターフェースであり、データを消費・処理・管理・分析する方法を大幅に簡素化・高速化するものになる。CLAIRE GPTは2024年に正式版がリリースされる予定で、現在は一部のアーリーアダプターに評価版が提供されている。

–今後の事業戦略はどのように考えているか。

 2024年以降もパートナーエコシステムの拡大に力を入れていく。国内では長年にわたり、日本のシステムインテグレーター(SIer)と協力してビジネスを展開してきた。これに加えて、AccentureやDeloitteなど世界のコンサルティングファームとビッグピクチャー(大局的な戦略)を描くなど、パートナーシップの強化を図るとともにグローバル市場に挑戦していく。

 さらに、Microsoft、Oracle、Google、Snowflake、Databricksなどのテクノロジー企業とも緊密に連携し、AIとデータを活用するユーザーのDXを支援する。

 11月1日には米国本社が2023年第3四半期の決算を発表しており、最も重視しているクラウドサブスクリプションの年間経常収益(ARR)は前年比37%増の5億5000万ドルだった。クラウドビジネスが急成長していることが分かる。

 IDMCでは、月間71兆3000億件のミッションクリティカルなクラウドトランザクションを処理しており、これは前年同期比60%増という驚異的な伸びを示している。トランザクション数が増えている理由は2つある。1つはユーザーがクラウドへの移行を加速していること。もう1つはデータ活用だけでなく、データ管理に関するニーズも高まっていることだ。

–日本市場の戦略は?

 われわれはグローバル市場で金融、小売、製薬、ライフサイエンスなどの分野で高い競争力を持っている。これらの分野に特化したソリューションやサービスを提供することで、企業のビジネス価値を最大化することができる。

 日本市場では、20年間にわたってPowerCenterを幅広い業界に展開してきた。2023年2月に発表した「2023年CDO調査」では、事業戦略とデータ戦略が一致している企業は業績が向上していることが明らかになっている。

 したがって、2024年は企業の事業戦略に沿ったデータ戦略を策定する支援をしていきたいと考えている。

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