製造業DXを推進する専業系ベンダーの展望
今回は「製造業DXを推進する専業系ベンダーの展望」についてご紹介します。
関連ワード (製造 x IT等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
製造業のDXを推進する専業系ベンダーの2024年に向けたトップメッセージを紹介する。
PTC ジャパン 社長執行役員 神谷知信氏
2023年は、暮らしの上でもビジネスの上でも世界が大きな「転換期」を迎えました。新型コロナウイルス感染症がひと段落したことで、多くの企業がリモートワークに区切りをつけ、オフィスでの作業や会議が日常となり、活気が戻ってきたことでしょう。PTCでも次のステージに向けて、リモートワーク、オフィスワークそれぞれの利点を活かしたうえで、ハイブリッド勤務体制を整えました。
事業面では、昨今非常に注目されているソフトウェアのライフサイクルを管理するALM、3D CADやPLM、IOT、ARなど特に製造領域のDXに不可欠な各ソリューションのリーダーシップポジションを確立しております。また、PTCとして過去最大の買収を行い、フィールドサービス管理ソリューションを提供するServiceMaxを傘下に置きました。そして、2024年はこれらのテクノロジーをSaaS化しクラウド連携することで製造DXの中核を成すクローズドループ戦略をワンプラットフォームで実現することを目指します。クローズドループ戦略は、設計・製造・運用・サービスの各工程をエンジニアリングデータでつないで業務効率を向上し設計品質を改善し、製造業全体の競争力を大きく底上げすることが可能となります。
今年こそ私は、日本の製造現場におけるDXの潮流を本格化させたいと考えております。それに伴い、2023年11月1日付でPTC ジャパンの社長執行役員に就任し、本社直下の経営体制へ強化することとなりました。PTCはまさにグローバルで「転換期」にあり、日本はDX推進の最重要地域として、さらに注力してまいります。2024年は最高のテクノロジーと社員によりお客様のDXを支え、パートナー各社とともに、さらに高みへ登る年にできるよう努める所存です。
菱洋エレクトロ 代表取締役社長 執行役員 中村守孝氏
2023年は、半導体の供給不足こそ回復傾向にあるものの、地政学リスクは拡大し、依然として不透明感の強い一年でした。サプライチェーンの強靭化・DX 推進・人手不足の解消などに代表される企業の課題感はより強まり、加えて生成AI が新たなキーワードとなるなど、お客様のニーズはさらに多様化、高度化していくものと思われます。
菱洋エレクトロは、半導体好需要の反動や一部のICTビジネスの終息といった影響はあったものの、業績は概ね堅調に推移しています。これは、海外発ビジネスの推進や医療のIT環境整備など「お客様接点の拡充と深掘」を続けてきた成果であると考えます。
当社は2017年度までの長期低迷に対する強い反省を踏まえ、過去6年間にわたって、ビジョン・行動指針を明確化し、さまざまな戦略の再構築、お客さま第一を軸とする社内風土の醸成などに取り組んできました。結果として2022年度で中期的な業績目標を達成し、当社単独の取り組みである「改革第一フェーズ」を完了しました。そして、来る4月に株式会社リョーサンと経営統合し、リョーサン菱洋グループとして新たな成長を目指す「改革第二フェーズ」を迎えます。環境変化に左右されやすいエレクトロニクス業界において、強みの異なる両社が手を携えることで、お客様に対する新たな価値をご提供できる、競争力のある企業体質の確立を目指していきます。
キャディ 代表取締役 加藤勇志郎氏
2023年は1月に米国初となる現地法人をシカゴに設立したところから始まりました。米国進出は創業当初よりグローバルでの「モノづくり産業のポテンシャル解放」に向けた、非常に重要なマイルストーンの一つに据えていました。自分自身もメインの活動拠点を米国に移し、事業の立ち上げにフルコミットした1年でした。米中対立の影響を受けて製造業の国内回帰の動きが活発になりつつある米国では、自動車以外でも製品の原産地化が進み、米国の製造業の機運は、にわかに上がっている状況です。製造業における課題は日本と共通することも多く、DXが進んでいる米国においても、まだまだアナログな慣習が残っています。それに加え、人件費の高騰や人材の流動性など米国独自の要因によって、サプライチェーンや図面データのDXの必要性は想定した以上に大きいことが分かりました。
2024年は、あらゆる製造産業におけるモノの流通・データの流通を通じて、顧客のDX推進に向けたご支援を、グローバルでますます加速していきます。今後もお客さま、パートナーさま、従業員、全てのモノづくりに従事する会社・人のポテンシャル解放に向けて、テクノロジーの力を最大限活用しながらより一層挑戦してまいります。