大塚商会、2023年12月期決算は増収増益–次期は売上高1兆円超を計画
今回は「大塚商会、2023年12月期決算は増収増益–次期は売上高1兆円超を計画」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
大塚商会は2月1日、2023年度(2023年1~12月)の連結業績を発表した。売上高は前年比13.5%増の9773億円、営業利益は15.0%増の629億円、経常利益は13.9%増の645億円、当期純利益は18.6%増の474億円となり、売上高、利益ともに2桁増の大幅な成長となった。一方、2024年度(2024年1~12月)の連結業績見通しは、売上高で1兆260億円を計画し、初めて1兆円の大台を目指すことを明らかにした。
大塚商会の代表取締役社長の大塚裕司氏は、「売上高、利益ともに、4年ぶりに過去最高業績を更新した。売上高で1000億円の上乗せとなり、人的資本を強化しながらも、過去最高益を達成している。売上高と経常利益は7四半期連続での増収増益になっている」と総括。また、「1兆円という大台に震えながらも緊張しながらもトライしていく。1兆円企業としてふさわしい会社になりたい」と述べた。
なお2023年度は、賃上げ促進税制で24億7000万円、企業版ふるさと納税で5億1000万円、子会社の賃上げ促進税制や研究開発税制で2億1000万円の合計約32億円の税額控除を受けているという。
2023年度のセグメント別連結売上高は、SI事業が16.3%増の6301億円、サービス&サポート事業が8.7%増の3471億円となった。
大塚商会単体の業績は、売上高が13.3%増の8695億円、営業利益が14.5%増の553億円、経常利益が12.9%増の572億円、当期純利益が17.8%増の431億円となった。単体でのSI関連商品の売上高は16.6%増の4677億円、受託ソフトなどが14.7%増の581億円。サプライが8.3%増の1855億円、保守などが9.3%増の1581億円となった。連結子会社では、ネットワールドが前年比12.1%増の1287億円となった。
顧客企業の業種別売り上げは、サービス、製造、卸売、建築、小売、官公庁・学校、リース・信販・その他の全ての業種で前年実績を上回ったという。正社員1人当たりの売上高(連結ベース)は1億374万円となり、初めて1億円を突破した。
複写機の販売台数は0.9%減の3万6356台で、そのうちカラー複写機が1.4%減の3万5543台。サーバーは0.9%減の2万1537台。PCは8.7%増の116万1417台。タブレットを含むクライアント合計では5.5%増の121万3089台となった。PCは、5四半期連続での前年増となっているほか、「個々の機種の値上げがあり、単価は約20%上昇している。PCは長年に渡り価格低下に苦しんできたが、価格上昇に転じている」と大塚氏は語った。
重点戦略事業では、「たのめーる」の売上高が8.2%増の1981億円、オリジナル統合業務ソフトウェア製品「SMILE」が22.0%増の159億円、ナレッジマネジメントシステムの「ODS」が1.1%増の568億円、セキュリティビジネスの「OSM」が24.1%増の1080億円だった。2023年12月末時点の「たのめーる」の口座数は、5.0%増の203万6392口座となった。
大塚氏は、「たのめーるが年間で150億円増加したことは過去にはない。第2四半期にはコピー用紙の値上げ前の駆け込み需要があったが、第3四半期は巡行速度で推移し、第4四半期は年末需要をつかんだ。さまざまな商材を生かし、ニーズを幅広くカバーし、成長を続けたい」とした。2024年度には、「たのめーる」事業の売上高が初めて2000億円を突破することになりそうだ。
また、ウェブサービス(ASP)の利用者数は、前年から26万人増の399万1000人となった。「たよれーる Microsoft 365」の利用者数は約111万人、「どこでもキャビネット」の利用者数は約28万人に達したという。さらに、サプライと保守契約を含むストックビジネスの売上高は8.9%増の3321億円、構成比は38.2%となった。
中長期経営方針では、取引企業数で2.0%増、1企業当たりの売上高で3.0%増、営業利益率および経常利益率ともに7%以上の定着を目標にしているが、2023年度実績では、取引企業数が前年比1.1%増の29万5000社、1企業当たりの売上高は12.0%の293万円となったほか、営業利益率は6.4%、経常利益率は6.6%となっている。
大塚氏は、「1企業当たりの売上高が計画の3倍になっているのは、オフィスまるごとの販売や追加受注があり、お客さまとの関係性が深くなっていることの証。1社当たりの売上高を引き上げながら、新規取引企業の獲得をがんばりたい」と述べる一方、「業績は過去最高だが、利益率は影踏みのようで、あとちょっとのところが続いている。7%以上の定着を視野に入れた努力をしていく」とも話した。
2023年度の平均年間給与は937万円となっており、前年度の856万円から9%上昇している。2024年度も給与水準の引き上げを計画しているという。