イトーキ、データ事業に本腰–オフィスの進化を導く「Data Trekking」提供

今回は「イトーキ、データ事業に本腰–オフィスの進化を導く「Data Trekking」提供」についてご紹介します。

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 イトーキは2月14日、社内のデータを基にオフィスの構築・運⽤を伴⾛型で支援するコンサルティングサービス「Data Trekking」の提供を開始し、記者発表会を開催した。同サービスは、オフィスの移転・刷新を予定している企業を対象としている。

 イトーキは近年、テクノロジーとデザインを掛け合わせる考え方「Tech×Design(テックバイデザイン)」のもと、オフィス家具の製造・販売だけでなく、データを活用したオフィスの最適化に取り組んでいる。

 今回提供を開始したData Trekkingは、同社のデータサービス群「ITOKI OFFICE A/BI SERVECE」の1つに位置付けられる(図1)。アプリケーションでは現在、ビーコンで収集された位置情報を用いて勤務状況を可視化する「Workers Trail」、クラウド型サーベイで従業員と組織のパフォーマンスやコンディションを可視化する「Performance Trail」を提供している。そのほか、2024年中に複数のアプリケーションを新たに提供する予定だ。

 ITOKI OFFICE A/BI SERVECE内のプラットフォーム「ITOKI OFFICE A/BI PLATFORM」では、アプリケーションから収集されたデータを集約・統合・分析する。Data Trekkingでは、ITOKI OFFICE A/BI PLATFORM内のデータを基に顧客の課題を発見し、改善活動に取り組む。

 オフィスの最適化に必要なデータは4種類。各スペースの稼働状況や従業員の活動状況を示す「スペース稼働データ」、個人と組織のパフォーマンスやコンディションを示す「組織サーベイデータ」、各スペースの席数・面積・用途に関する「レイアウトデータ」、顧客が独自で保有している「独自指標データ」がある。先述したWorkers Trailでスペース稼働データ、Performance Trailで組織サーベイデータを収集する。

 Data Trekkingの流れは、データの収集・分析、分析結果の解釈・評価、施策の提言、施策の実行(別途契約)となっている。

 分析業務には、同社のダッシュボード型分析ツール「Office Data Map」を活用する(図2)。イトーキの専任チームが測定対象のフロアや期間を設定し、「滞在時間」や「ワークエンゲージメント」など、さまざまな指標から1つを選択する。「滞在時間」を選択すると、各スペースの滞在時間が色で表示され、青色は1日3時間未満、緑/黄色は4時間以上、赤/オレンジ色は8時間以上となっている。従業員の属性で絞り込める機能も搭載しており、例えば20/30代のオフィス利用状況などを把握できる。

 収集された個⼈情報は、暗号化して保存する。分析時は全て仮名IDに変換し、個⼈が特定できない形でデータを取り扱う。

 効果的な分析のタイミングは、オフィスのリニューアル前/後だという。リニューアル前は、従業員や現オフィスのデータを活用して成功確率を上げる。具体的には、着目すべき指標の設定、座席/会議室数・床面積などの最適数の把握、スペースの改善/新設要望に関する優先順位付け、新オフィスへの適応性が高い/低い従業員群の予測――を行う。

 リニューアル後は、オフィスリニューアルの効果を最大化する。着目した指標の改善度合いの把握、各スペースの稼働実態の把握、パフォーマンスやコンディションの向上に寄与したスペースや利用方法の抽出、新オフィスへの適応が不十分な従業員群の提示――を行う。

 Data Trekkingでは、顧客の課題を基に分析し、導き出された結果を受けてイトーキの専任チームが施策を提案する(図3)。例えば、「オフィス内のスペース稼働率を高めたい」という課題には、各スペースの滞在回数/時間を分析し、使われている/使われていないスペースを特定する。この結果を基に、「使われていないスペースを削減し、需要の高いスペースを拡大する」といった施策を提案する。

 利用メニューには、簡易版と標準版を用意している。導入期間は簡易版が2カ月から、標準版が6カ月から。料金は導入期間や従業員数、オフィスの規模によって異なるが、簡易版は80万円から、標準版は235万円から。オフィスリニューアル前は社内の担当者が慌ただしいことが予想されるため、簡易版で2カ月ほど導入することも考えられる。

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