シスコ、Splunkの買収を完了。「Splunkとともに世界最大級のソフトウェア企業に」とソフトウェア企業への変身を宣言
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シスコシステムズは、ログの収集解析ツール大手として知られるSplunkの買収を発表しました。買収金額は280億ドル(1ドル145円換算で4兆600億円)。
Splunkは、サーバやネットワーク機器などあらゆるマシンやセンサー、ソフトウェアなどから生成されるログデータを収集、横断的に分析し、システムの状態やセキュリティを可視化し、監視するためのツールを提供するベンダとして代表的な存在として知られています。
現在この分野は「オブザーバビリティ」(可観測性)と呼ばれており、システム全体の状態を適切かつ緻密に把握することでシステムをセキュアで効率的かつ健全に稼働させるだけでなく、顧客にとって価値を提供するサービスとなっているかを計測する面でも重要性が増してきています。
シスコはネットワーク機器大手として知られていますが、現在ではサーバ分野でも存在感を示しており、データセンターにおけるネットワーキングとサーバ、セキュリティ、そしてそれらを統合し運用管理するソフトウェアや基盤となるソフトウェアなどを提供するベンダとして、Splunkのようなオブザーバビリティツールの獲得は同社にとって欠かせないものであったと言えます。
さらに今後は生成AIの活用によって、大量のログ情報からこれまで得られなかった知見や洞察を得ることも可能になってくることは間違いなく、Splunkはその面でも重要な意味を持つベンダだと言えるでしょう。
Splunkとともに世界最大級のソフトウェア企業に
シスコは昨年(2023年)12月にはeBPFを用いてオブザーバビリティなどを実現するIsovalentの買収も発表しており、また2020年にはオンライン掲示板のSlidoを買収、2018年にはDuo Security、2017年にはモニタリングツールベンダAppDynamicsの買収を始め、過去1年だけでも約10社の買収を行っており、同社のソフトウェアやサービス製品群を急速に拡大させています。
参考:シスコ、eBPF分野をリードするIsovalentを買収へ。クラウドネイティブ分野のネットワーキングなど強化
今回のSplunk買収完了を発表したプレスリリースの中でも「ネットワークの力を最大限に引き出しつつ、市場屈指のセキュリティおよびオブザーバビリティのソリューションを提供」するとした上で、「Splunkとともに世界最大級のソフトウェア企業に」と記しており、同社自身がハードウェアベンダからソフトウェアベンダへ変わろうとしていることを明らかにしています。