福井県坂井市の高校生、地元の観光施策を「Minecraft」で再現–アクセンチュアら推進
今回は「福井県坂井市の高校生、地元の観光施策を「Minecraft」で再現–アクセンチュアら推進」についてご紹介します。
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アクセンチュアと福井県坂井市は2023年10月から、同市内の高校生が地元の観光名所の魅力を伝える施策を立案し、そのアイデアを「Minecraft」上で再現する「デジタル帰宅部」を推進してきた。両者は4月2日、デジタル帰宅部の最終報告会と修了書授与式を福井県 坂井市役所本庁舎で開催した。
デジタル帰宅部の部員は約半年間、学校の枠を越えてオンラインで議論を重ね、理想とする町並みをMinecraftで再現することに取り組んだ。時には、対象とする観光名所を実際に訪れたり、インバウンドの観点からアクセンチュアの外国籍従業員に意見を収集したりしてアイデアを深めたという。坂井市は今後、部員がMinecraftを通して行った提案を街づくりに生かすとしている。
同報告会では、3チームがそれぞれ東尋坊、三國湊、丸岡城の魅力や課題、それに対する提案を発表するとともに、Minecraftで再現した町並みを披露した。コメンテーターには、坂井市長の池田禎孝氏、YouTubeチャンネル「カズゲームズ」でMinecraftのゲーム実況を配信する福井のカズさん、Minecraft Evangelistのタツナミシュウイチ氏、アクセンチュア 執行役員の市川博久氏が登壇した。
東尋坊は、越前加賀海岸国定公園にある国の天然記念物。約1キロメートルにわたる巨大な柱状の岩(柱状節理)が日本海上にそびえ立ち、崖からは荒波の迫力を感じながら景色を一望できる。
福井県立三国高等学校2年生3人と福井県立金津高等学校1年生5人の「東尋坊チーム」は、同地の課題として(1)約200台もの車を止められる駐車場に空きスペースがある、(2)地上55メートルからの景色を味わえる「東尋坊タワー」の集客力が弱い、(3)飲食店や土産物店が軒を連ねる「東尋坊商店街」は17時に閉店してしまう、(4)海上からの景色を楽しめる遊覧船の運航は夕方で終了するほか、天候に左右されるため、安定した収益を得づらい――を挙げた。
これらの課題意識のもと同チームは、東尋坊の観光施策を考案してMinecraftで再現。駐車場の空きスペースには、名産品であるカニを模した建物を設置したり、高校生主体のイベントを開催したりしてにぎわいを創出する。東尋坊商店街には足湯を設置し、観光客に疲れを癒やしてもらう。夜間まで楽しめるよう、東尋坊タワーをイルミネーションで彩るとともに、海を泳ぐ魚を眺められるテラスを海中に設置する。
Minecraftでもっと作り込みたかった箇所もあるといい、「一目見てカニと分かる外観を作りたかった」「17時に閉まる商店街を街頭などで装飾したかった」「イルミネーションでは、タワー下部から上部に光りが昇っていく動きを1本しか作れなかったが、4本全て作りたかった」などが挙がった。
坂井市への提案として、チームメンバーは「東尋坊を1日中楽しめる場所にすることで、観光客の増加を図る。ほかの観光地も触発されれば、市内全体の観光業が活発になり、経済が循環するのではないか。主なターゲットは、情報拡散力が高いカップルや家族連れ。各学校が屋台を出店して売り上げを競うなど、高校生主体のイベントも開催したい」と述べた。