生成AIが中心に– Google Cloudが発表した「Axion」などのAIインフラ
今回は「生成AIが中心に– Google Cloudが発表した「Axion」などのAIインフラ」についてご紹介します。
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Google Cloudは米国時間の4月9日から3日間、ネバダ州ラスベガスで年次カンファレンス「Google Cloud Next 2024」を開催している。初日の基調講演では、最高経営責任者(CEO)のThomas Kurian氏ら幹部が登壇し、最新の技術やサービスを発表した。話題の中心は生成AIだ。本稿ではハードウェアなどAIインフラ部分の新たな発表をまとめる。
10回目を迎える2024年のGoogle Cloud Nextは、会場をラスベガスに移しての開催となった。来場者は年々増え、これまでのサンフランシスコが手狭になったというのが大きな理由だ。今回は3万人がライブで視聴し、2500のパートナーが集い、スポンサーは約400社に上る。コロナ禍を経て初の本格リアル開催となった前回(2023年8月末開催)から8カ月で迎えた今回のイベントだが、Kurian氏は「この間にGoogle CloudとGoogle Workspaceで合計1000以上の製品改良を加えた」と胸を張る。
この8カ月の間で新たに2つのGoogle Cloudのリージョンが加わり、リージョン数は40になった。また、6つの海底ケーブルの投資も発表した。「20以上のアナリストにより『リーダー』の評価を受けた」とKurian氏。100万人の開発者が「Google AI Studio」「Vertex AI」「JetBrains」などのツールでGoogleの生成AIを利用しており、生成AIトレーニングの回数は100万回以上だという。Kurian氏は、「Google Cloudは最も急速に成長しているクラウドプロバイダーだ」と述べた。
講演にビデオで登場したAlphabetおよびGoogleのCEOを務めるSundar Pichai氏は、Google Cloudの年間ランレートが直近の四半期(2023年第4四半期)で360億ドルになったと述べた。この規模は5年で5倍という。「AIは全ての業界と企業を変える。これにはGoogleも含まれる。だからこそ、われわれは10年以上前からAIインフラに投資してきた」とPichai氏はいい、その1つが自社チップの「TPU」になる。2023年に第5世代の「TPU v5」シリーズを発表し、顧客は最先端の言語モデルのトレーニングやサービスが可能だ。
「われわれは、AIプラットフォームへのシフトの最前線におり、生成AIスタートアップの60%、生成AIユニコーンの90%が、Google Cloudを使っている」(Pichai氏)
自社の言語モデル「Gemini」も強調した。Geminiは2023年12月に発表され、2024年2月には「Gemini 1.5」を発表するなど、急ピッチで進化を遂げている。プレビューとして発表した「Gemini 1.5 Pro」は、1時間の動画/11時間の音声データ/70万語のテキスト/3万行のコードに相当する最大100万トークンコンテキストウインドウ、オーディオ/動画/コード/テキストなどを扱うマルチモーダルなどを特徴とする。
Pichai氏は、「ゲーム企業が動画分析を使ってプレイヤーのパフォーマンス改善を支援する、保険企業が動画、写真、テキストなどを組み合わせてインシデントレポートを作成し保険金請求のプロセスを自動化する」などの想定例を紹介し、「これまで想像しなかったようなことが可能になる」と述べた。なおGemini 1.5 Proは、今回のイベント中に提供開始が発表された。
Kurian氏によると、この8カ月でAnthropic、Cohere、Mistral AIなど10社と、AIモデルのパートナーとして提携した。顧客側では、McDonald’s、Deutsche Bankなどの企業が新しい生成AIアプリやサービスをGoogle Cloudを使って構築中だという。「Googleは、企業がオペレーションをデジタル化してAIリーダーになるのを支援する。これがクラウドへの新しい道だ」(Kurian氏)