IIJ、沖縄県立学校のインターネット接続環境を再構築–BYODによる通信量増大に向けて
今回は「IIJ、沖縄県立学校のインターネット接続環境を再構築–BYODによる通信量増大に向けて」についてご紹介します。
関連ワード (「GIGAスクール構想」で進化する教育現場、CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
インターネットイニシアティブ(IIJ)は4月12日、沖縄県の県立学校全85校で1人1台のデジタル情報端末利用(BYOD)による通信量の増大に対応できるネットワークを再構築したと発表した。2023年11月から本格的な運用を開始しているという。
同社では、文部科学省の「GIGAスクール構想」に基づき、全国の自治体や教育委員会向けにネットワーク環境の構築や運用を支援する「IIJ GIGAスクールソリューション」を提供している。今回は同ソリューションを通して、ネットワークの遅延箇所を特定し、帯域保証型の回線や各学校からの特定のクラウドサービスへのインターネットアクセスを分岐させるローカルブレイクアウトを導入することで、ネットワーク全体の最適化につなげたとしている。
同県の県立学校では、GIGAスクール構想により、学習用デジタル情報端末を活用したデジタル教材やツールなどの利用が進んでいたが、当初の想定よりデータ通信量が増加し、回線に混雑が生じることでアプリケーションにログインできない、レスポンスが遅いなどのトラブルが頻発していた。
加えて2022年度にはBYOD利用者が増え、さらに通信量が増大する見込みであったため、ネットワーク環境の再整備が必要だったという。IIJは沖縄県からの依頼により、2021年度から回線やネットワーク機器を詳細に調査・分析し、通信遅延が発生している箇所や原因を特定。その結果を踏まえ、新たな構成のネットワークを設計し、2023年11月から本格運用を開始した。
利用状況の分析では、実際に学校の授業に立ち会い、利用するアプリケーションや利用方法などをヒアリングしてインターネットの利用状態を調査。その上で回線品質の測定や分析を行い、通信状況を可視化することで、ボトルネック箇所の特定を行った。
新たなネットワークの構成では、各学校からの通信が集中して輻輳(ふくそう)が起こりやすいデータセンター側の回線を、通信速度を保証しないベストエフォート型から帯域保証型に切り替えた。また、授業で利用するウェブ会議ツールやアプリケーション、グループウェアなど、特定のクラウドサービスへのアクセスは、各学校から直接インターネットにアクセスするローカルブレイクアウトを導入したという。
具体的には、「IIJクラウドナビゲーションデータベース」を活用し、各学校にIIJ独自の開発ルーター「SEIL」を設置。これにより、クラウドサービスへのアクセスとそのほかのインターネットアクセスを分岐させている。特にネットワークを圧迫するビデオ会議の音声や映像通信を各学校で分散させることで、学校側のインターネット回線の構成を変えることなく、ネットワーク全体の安定化を図ることができたとしている。