OpenAI、会話を記憶できる機能を「ChatGPT Plus」ユーザーに提供開始

今回は「OpenAI、会話を記憶できる機能を「ChatGPT Plus」ユーザーに提供開始」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 「ChatGPT」などの人工知能(AI)チャットボットを使って意図した結果を得られるかどうかは、プロンプトごとにどれだけ多くの背景情報を含められるかにかかっている。だが、作業に時間がかかったり、同じ作業を繰り返したりすることになりかねない。そこで役立つのが、ChatGPTの「Memory」機能だ。

 OpenAIは米国時間4月29日、有料版の「ChatGPT Plus」の全ユーザーがMemory機能を利用できるようになったことを明らかにした。Memory機能を使うと、ユーザーから提供された知見や、その後の回答の生成に役立つ可能性がある情報を、このチャットボットが記憶できるようになる。

 例えば、上のデモ動画のように、ChatGPTは「Ellieという名のゴールデンレトリバーとTeddyという名のメインクーン(ネコの品種)と一緒に住んでいる」というユーザーの発言をMemoryに保存できる。また、そのユーザーが7月に休暇でカナダに旅行する予定があることや、Linaという名の2歳の娘がいることなど、その他の個人的な情報も記憶できる。

 その後、ChatGPTは記憶したトピックに関連した質問を受けたときに、その情報をコンテキストとして利用できるようになる。例えば、この同じユーザーが自分の娘に虹のことを説明するよう求めるときに、娘が2歳であることやクラゲが大好きなことを再び説明する必要はない。ChatGPTがすでに、その情報を記憶しているからだ。

 先の動画では、このユーザーはChatGPTに対し、「自分のペットがサーフボードに乗っている写真を作ってください」と頼んでいる。ChatGPTはそのユーザーのペットのことをすでに知っているため、ユーザーからそれ以上の指示がなくても、依頼された画像を生成できる。

 この機能が初めてテストされたのは今年初めのことだが、OpenAIによれば、それ以降改善が加えられたという。例えば、デモで見られるように、ユーザーの入力内容を使用して記憶を更新したときに、そのことをユーザーに知らせるようになった。

 OpenAIはまた、「Memory updated」(Memoryが更新されました)というメッセージにカーソルを合わせるだけで、記憶データを簡単に管理できるようにした。このメッセージをクリックすると、ユーザーは記憶の全履歴を表示し、保存してほしくない記憶データを編集して削除できる。

 個人情報ができるだけ収集されないようにしたい場合は、設定でMemory機能のオンとオフを切り替えられる。また、記憶を削除することも可能だ。

 この機能をオンにするには、画面左下にある自分のプロフィールをクリックしてから、「Settings」(設定)の「Personalization」(個人設定)タブに進み、「Memory」(記憶)のオンとオフを切り替える。また、「Manage」(管理)をクリックすれば、保存されている記憶をすべて表示して、内容を変更できる。

 「Personalization」(個人設定)タブには、「Custom instructions」(カスタム指示)機能をオンまたはオフにできるオプションもある。これは、Memory機能と同じく、ユーザーが同じ情報(この場合は指示)を繰り返し入力しなくても済むようにするものだ。

 この機能は現在、欧州と韓国を除くすべてのChatGPT Plusユーザーに提供されており、月額20ドル(約3120円)のサブスクリプション料金に含まれている。OpenAIによれば、「ChatGPT Team」と「ChatGPT Enterprise」で提供する予定もあるが、詳しい時期は明らかにされていない。

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