レッドハット、「Red Hat Enterprise Linux 9.4」を一般提供–「RHEL 7.9」に4年間の追加サポートも
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Red Hatは米国時間5月1日、同社OSの最新版「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)9.4」をリリースした。また、「RHEL 7.9」のサポートを4年延長することも発表した。
他のバージョンのRHELではこのような延長サポートは期待できないだろう。CanonicalがUbuntuの長期サポート(LTS)版に12年間のサポートを提供しているのとは異なり、Red Hatは「RHEL 7 Extended Life Cycle Support(ELS)」に1回限りの4年間の追加サポートを提供する。つまり、RHEL 7.9のサポートが2024年6月30日に終了した後も、2028年6月30日までセキュリティパッチとバグフィックスを含むメンテナンスサポートを受けられるということだ。
とはいえ、Red Hatとしては、ユーザーにRHELの新しいバージョンにアップグレードしてもらいたいはずだ。RHEL 9.4では、ハイブリッドクラウド環境の管理を簡素化するために設計された多数の新機能が導入されている。
Red Hat Enterprise Linux担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのGunnar Hellekson氏は、「『Linux』はもはやカーネルやコマンドラインだけのものではない。テクノロジー組織がハイブリッドクラウドで規模を拡大していく中で、プラットフォームをよりアクセスしやすく、管理しやすく、応答性の高いものにすることが重要だ。AIワークロードの可能性を探るにせよ、単に既存のリソースを最適化するにせよ、RHELの最新リリースは、既存のスキルやツールを最大限に活用しながら、複雑さを抑え、効率を向上させるのに役立つ」と述べる。
具体的には、RHEL 9.4は管理と自動化に関する機能を強化し、分散システムにおける標準運用環境(SOE)の構築を積極的にサポートする。
SOEの一部は、展開可能な「Ansible DevOps」コンテンツコレクションによって駆動され、一般的な管理タスクの設定と起動を支援する。これらのロールに関連する機能には以下が含まれる。
「Insights image builder」を含む「Red Hat Insight」のアップデートにより、すぐに実行可能なRHEL SOEの作成が容易になる。同ツールは、プロアクティブなガイダンスを提供したり、追加の関連パッケージを推奨したり、重要なライフサイクル情報を強調したりして、システム管理者と運用チームによるシステムの更新や老朽化への対応を支援する。
「Red Hat Hybrid Cloud Console」の仮想アシスタントは、特定のクラウドプラットフォーム用のカスタムイメージの作成を支援する。さらに、アプリケーション実行ポリシー、スナップショット管理、システムブート設定などのタスクを合理化する新しいRHELシステムロールにより、自動化がさらに進んでいる。これらのツールは、人的ミスを減らし、大規模環境での運用効率を高めるように設計されている。
RHEL 9.4は、セキュリティ対策も向上させている。ゼロトラストアーキテクチャー(ZTA)モデルにより、FIDO2(Fast IDentity Online 2)に準拠したパスキー認証で、一元管理されたユーザーに対してパスワードレス認証と多要素認証(MFA)を可能にする。また、高性能なLinuxカーネルVPNである「WireGuard」をRHELのウェブコンソール経由で設定し、システムのセキュリティをさらに向上させることもできる。
開発者にとっては、新しい「Application Streams」が「Python 3.12」「PostgreSQL 16」「Ruby 3.3」「MariaDB 10」「LLVM 17」「Rust 1.75」「Go 1.21」など、最新のプログラミング言語とデータベース管理システムに対応した。
RHEL 9.4の一般提供に伴い、Red HatはArmアーキテクチャーの完全対応など、ハードウェアアーキテクチャーのサポートも拡大している。これにより、Red Hatのソリューションはサポート対象のハイブリッド環境と同様に柔軟性を確保し、さまざまなサーバープラットフォームに対応できるようになる。