生成AIと数値AIの融合–期待される生産性向上と時間短縮の効果

今回は「生成AIと数値AIの融合–期待される生産性向上と時間短縮の効果」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 この10年で成長した従来の人工知能は、数値を処理してパターンを探し出し、確率に基づいて予測分析を提供していた。そこに多数の機能を備えた生成AIが登場し、数値AIによる予測と観察への架け橋となり、言葉による双方向性の高い質問という可能性を広げた。

 生成AIは、企業の幅広い職務において、かつて非常に曖昧だったAIのブラックボックスを開く助けとなり、さらには運用技術(OT)と情報技術(IT)の溝を埋める手段になり得る。こう語るのは、Emersonのシニアバイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO)のPeter Zornio氏だ。筆者が先頃、ニューヨークでZornio氏と話したとき、同氏は生成AIと数値AIが連続体の両端に位置していると説明した。この2種はそれぞれ数値モデルと言語ベースのモデルに基づいている。

 同氏によると、これらのAIの技術的基盤は同じだが、その使用方法が異なるという。「数値指向の生産モデルは数字のデータセットがベースだ」とZornio氏は説明する。「言語モデルは無数の文書や画像などに基づくデータセットを使用する」

 Zornio氏は、これら両極のAIが融合しようとしており、従来型AIにおける昔ながらの舞台裏という側面に新たな領域が開かれつつある、と語った。「この2つは実際に併用されている」とZornio氏。「産業分野では、言語ベースのモデルを、既存の数値ベースのモデルとのインターフェースとして使用するだろう。オペレーターが次のようなことを言う場面を想像できるだろうか。『コンピューターよ、このユニットの生産が遅れているのはなぜか。どうすればそれを調整できるのか』」

 これは生産性と時間の節約に計り知れない影響を及ぼす、と同氏は続ける。「これはインターフェースの自然な方法だ。30年の経験を持つ自社の専門家には、このように話すだろう。エンジニアリング部門のFredに『何が起きているのか』と聞くと、Fredは生産のあらゆる傾向を調べに行って、戻ってくるとこう教えてくれる。『通常、このような状況で何が起きているかというと、触媒が汚れている。やるべきことを教えよう。生産を停止して触媒を再生する必要がありそうだ』」

 人間の手腕は不可欠であり、エンジニアリング部門のFredは、「30年にわたる施設運営を通じて頭の中に構築したモデルを使用している」とZornio氏は述べた。生成AIはその作業を引き継いで、数値ベースのAIとのインターフェースでは、科学的推論を使用して、エンジニアリングの専門家と話すときと同じように、コンピューターに語りかける。また、次のようなことが可能だという。「過去5年間の運用を調べて、全く同じ一連の状況が、非常によく似た生産関連の痕跡とパターンマッチングするシナリオを見つけようとする。その痕跡は、『さて、どうしよう』と言う。Fredならこう考えるだろう。『前回これが起きたときは、このように対処した』」

 最後に、AIは「さまざまなシナリオをすべて調べて見つけ出し、当時の対応を見て、『この3つのアクションによって、過去に問題解決の最も効果的な結果が生成された』と教えてくれる」。Zornio氏はこのように述べた。

 このエンドツーエンドのAIアプローチによって得られるのは、「製品サポートシステムを構築する優れた方法だ。すべてのマニュアルと、サポート担当者とのすべてのやりとりを集めて、システムに入力し、その製品について質問できるようにする」とZornio氏。

 石油化学から自動車製造まで、あらゆる種類のディスクリート製造とプロセス製造に用途がある。同じくエンドツーエンドAIの恩恵を受けることになるワイン製造業について考えてみよう、とZornio氏は指摘する。畑と貯蔵タンクに大量のセンサーを配備しているワイン製造業者は、「なぜ2024年のワインは2023年のものより格段に優れていたのか」といった質問ができるかもしれない。AIによる精査が可能なのは、「温度、糖度、ブドウの酸度、発酵期間などの重要な指標だ。土壌の状態はどうなっているのか、水分の状態はどうか、日照量はどれくらいか、雨量はどれくらいか」

 AIは多くの点で、幅広い業界においてアシスタントとして機能し、「既存のモデルと対話してクエリーを実行する優れた手段」になる、とZornio氏は指摘した。「数値的なデータから生成されるものが多いかもしれないが、オペレーターの日誌のようなデータもあるかもしれない。なぜなら、オペレーターは何かが起こるたびに書き留めているからだ。そうした情報をすべて入力すれば、『以前にこれが起きたときのことは日誌のどこに書かれているか』、あるいは『問題を解決するために何をしたのか』と質問できるようになる」

 これには、分断される傾向にあった社内の2つのチーム、すなわち運用技術チームと情報技術チームの共同作業を拡大することも必要だ。この共同作業はデータから始まる。ITチームとOTチームは「さまざまなメーカーのあらゆる形式の」データを合理化する必要がある、とZornio氏は説明した。「これまで両チームの関係はそれほど良好ではなかった。というのも、OTチームは自前のシステムを組み込んで、これらすべてを実行しているからだ。また、その実装方法と使用方法に関する考え方が大きく異なる。一部の賢明な人々が統合をさらに進めようとしたことがあったが、今後は両チームによる共同作業を拡大していく必要があるだろう」

 だからこそ、Zornio氏は次のように主張する。「OTの世界からITの世界へ、そしてその逆へ、データをシームレスに引き出せるアーキテクチャーを設計する必要がある。クラウド上に存在するかもしれないAIシステムの使用について検討する場合は、特に重要だ。それは、誰もが利用するようになるOpenAIなどの言語ベースのAIモデルだろう」

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