大阪・関西万博発の電子マネー「ミャクペ!」がお目見え–NECの顔認証技術を活用
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NECは5月23日に記者発表会を開催し、「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)に顔認証システムを提供すると発表した。2025年日本国際博覧会協会とNECは万博会場において、顔認証による店舗決済と入場管理を行い、入場チケットの使い回しによるなりすましの防止、スタッフ人数の適正化、手ぶらでの決済による来場者の利便性向上を図る。
大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日~10月13日の183日間、大阪市の人工島「夢洲」で開催される。NECの顔認証システムは、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)が開発したスマートフォンアプリ「EXPO2025デジタルウォレット」の電子マネー機能「ミャクペ!」に会員登録したユーザーを対象とする。
同アプリではミャクペ!に加え、万博の取り組みに参加してポイントをためられるポイント機能「ミャクポ!」、イベントへの参加やミャクペ!の利用で非代替性トークン(NFT)がもらえる機能「ミャクーン!」を7月から提供する。利用状況に応じて特典がもらえる「ミャクミャク リワードプログラム」の提供も予定している。
ミャクペ!のチャージ方法は、(1)クレジットカードの登録、(2)銀行口座の登録、(3)電子マネーギフト「ミャクペ!ギフト」として発行される16桁の英数字の入力――の3種類。同機能は万博会場内の店舗だけでなく、コード決済または「Visa」のタッチ決済が可能な全国の店舗で利用できる。決済が完了すると「ミャクペ!」と鳴る仕組みだ。
会場内の決済は原則キャッシュレスを予定しており、ミャクペ!をはじめ60種類の決済手段が利用可能である。EXPO2025デジタルウォレットは2023年12月に提供開始され、「App Store」「Google Play」でダウンロードできる。
顔認証の利用を希望するユーザーは、アプリ内の顔登録用のウェブサイトであらかじめ自身の顔画像を登録する。登録時はメガネやマスク、帽子などを取った状態で顔を撮影する必要があるが、決済時や入場時は身に付けていても認証できるという。
NECは、ユーザーの同意を得た上で生体情報を利用し、顔画像をはじめとしたユーザーの個人情報を国内のプラットフォーム内で安全に保存するとしている。顔画像の登録開始時期は、2025年1月頃を予定している。
大阪・関西万博には約2620万人の来場者が予想される中、顔認証の登録では120万IDの獲得を見込んでおり、国内におけるNECの顔認証提供事例では最大規模になる予定だという。
万博会場では、SMBCグループのオールインワン決済端末「stera terminal」が設置された店舗において、ミャクペ!による顔認証決済が可能。stera terminalの設置台数は約1000台に上る。
加えて、51カ所に上る入場ゲートでの追加認証にも顔認証を活用する。同認証は指定の期間内で何度でも入場できるチケット「通期パス」「夏パス」の購入者を対象としており、来場時はチケットに記載の二次元バーコードをゲートにかざした上で、ゲート設置のカメラで顔認証を行う。入場ゲートにおける顔認証の活用により、チケットを確認するスタッフの省人化や使い回しによるなりすましの防止を図る。