あらゆる“もの”の間をつなぐネットワークの進化–Interop Tokyo 2024

今回は「あらゆる“もの”の間をつなぐネットワークの進化–Interop Tokyo 2024」についてご紹介します。

関連ワード (ネットワーク等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 ネットワーク技術の展示会「Interop Tokyo 2024」が6月12日、千葉・幕張メッセで開幕した。2024年はInterop Tokyoと同時に、「デジタルサイネージジャパン(DSJ)2024」「アプリジャパン(APPS JAPAN)2024」「画像認識AI(Vision AI)EXPO2024」を開催。14日まで開催しており、併催イベントを含め15万人の来場を見込んでいる。

 Interop Tokyo 2024のテーマは「AI社会とインターネット」。Interop Tokyoを主催するナノオプト・メディア 代表取締役社長 Interop Tokyo 2024 総合プロデューサーの大嶋康彰氏は、「生成AIをはじめとするAIが普及した。AIはインターネットありきで動いている。社会の中でインターネットはどのような役割があるのか、どういったネットワークを作ればいいのか、どういったリスクがあるのか、それにどう対応すればよいのかを考えるためにこのテーマを据えた」と説明した。

 併催イベントを含めた今回の出展社数は542社(前回475社)、小間数は1664小間(前回1334小間)を数え、幕張メッセの展示スペースを1ホール拡張した。同氏は、「Interopは、もともとネットワークインフラ(の展示)が中心だが、つながるものの多様化や増加によって、カバーするジャンルも増えている」と述べる。2024年の注力テーマとして、ネットワークインフラをはじめ、AIインフラ、クラウドネイティブ、エンタープライズDX、生成AI、5Gなどを挙げた。

 Interopの大きな目玉である「ShowNet」の今回のテーマは「Inter*Network」。ShowNetは、異なるネットワーク機器メーカーの製品同士を相互に接続して、安定稼働などを技術検証する場。「5年後、10年後に必要となるネットワークの姿」を示すビジョンのもと、最新の技術を用いてShowNetをデモンストレーションネットワークとして構築しているという。その運用を支えるのがネットワーク運用センター(NOC)だ。

 ShowNet NOCチームメンバーでジェネラリストを務める国立天文台 情報セキュリティ室 先任研究技師の遠峰隆史氏は、今回のテーマについて「今までネットワークにつながっていたもの、つながっていなかったもの、さまざまな“もの”の間を接続するというのが、ネットワークの役割として期待されている。この役割を一言で表すと、Inter*Networkだ。企業活動の間を相互に接続するネットワークや、生産活動をつなぐネットワーク、そしてゆくゆくは惑星などの星の間をつなぐネットワーク、さまざまなものの間をつなぐネットワークを見せたいという気持ちを込めた」と明かす。

 2024年のShowNetの規模は、提供機器・製品・サービスの総数が2326台、ケーブル総延長が約24.5km、光ファイバー総延長が約8.0km。例年と比べてラックがわずかに増え、機器が高性能になったことで使用電力は増えたという。ShowNetやNOCの構築・運用などに携わるコントリビューターは延べ650人(前回675人)。内訳はNOCメンバーが31人、一般公募のボランティアとなる「ShowNet Team Member」(STM)が38人、参加企業のエンジニアが581人で、これからのネットワーク技術を担う学生や若手のSTMも幅広く活躍している。

 外部とShowNetを接続するエクスターナルネットワークは、NTT コミュニケーションズの「Open APN」(All Photonics Network)を用いた光6波長多重接続による容量1.8Tbpsと、ソフトバンクおよびKDDIの各100Gbpsで構成され、総容量は2Tbpsとなった。

 ShowNetの出展社や来場者にネットワークを展開するに当たり、各ホールに回線を展開するPodを2カ所設置。Podに出展社の通信を収容するルーターを設置することで、そこからShowNetのバックボーンに入り、DNSやDHCPなどShowNetの利用に必要なサーバーサービスやインターネットにアクセスできる。そのほか、ShowNetにはデータセンターを模したネットワークや、「Media over IP」、ローカル5Gのネットワークが含まれていたり、モニタリングやネットワークテスターの環境が整備されたりしている。

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