DXを成功に導くための最初の一歩–自社の現在地を知る

今回は「DXを成功に導くための最初の一歩–自社の現在地を知る」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、CIOの「人起点」DXマニフェスト等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載は、「CIOの『人起点』マニフェスト」をテーマに、Ridgelinezの最新の知見をお届けしてきた。最終回となる第11回のテーマは、「DXを成功に導くための最初の一歩、自社の現在地を知る」だ。最新のテクノロジーにどれだけの資金や人材を投じて組織変革や新規事業創出に取り組んだとしても、その前提として自社のDXの成熟度、すなわちDXのゴール達成に向けた自社の現在地が分からなければ、成果の測定が困難になり、いずれプロジェクトは頓挫してしまう。

 本稿では、Ridgelinezの独自調査に基づく日本企業のDXの現状を見渡しながら、客観的な指標を基に自社の取り組みを評価する「DXアセスメント」の有効性について、Ridgelinezの支援事例を交えながらご紹介する。

 早いもので1年近くにわたって続けてきた本連載は最終回を迎える。そこで、読者の皆さんに改めてお聞きしたいのは、日本におけるDXの進展が、現在どれくらいの地点に到達しているのかということだ。

 ITの世界で欧米企業の後塵を拝することが多い日本企業だが、本連載の第5回でも取り上げた、「日本は生成AIの活用に向けた気運が世界平均を上回っている」という調査結果が示すように、日本のデジタル化には一定の進展が見られ、DXの成熟度についても評価の声が聞かれる。

 Ridgelinezの独自調査に基づくレポート「Human Transformation(HX)調査レポート2024」によれば、「DXを推進中」と回答した企業は全体の87%に達しており、この数字は明るい材料だと言える。ただし、このうちDXを企業戦略と連動した全社規模の継続的な活動として定着できている企業は、いまだ半数に満たない。

 ここには、DXから具体的な成果を獲得するために、ある程度の長い時間を要することが大きく関係している。同レポートでも、DXがもたらす成果の充実度と取り組みの継続期間は正比例の関係にあることが明らかになっており、「DXから十分な成果が得られている」という回答は、10年以上にわたって取り組みを続けてきた企業で最も多くなっている。

 この結果は、やはりDXとは一過性のテーマではなく、少なくとも5年、10年といった長期的なスパンで組織が一丸となって取り組むべき経営課題の1つであることを、改めて示していると言えるだろう。

 ちなみに、この調査の対象は年間の売上高が1000億円以上のいわゆる大企業である。これより規模の小さい企業では、DXの定着度がさらに低いことは想像に難くない。こうした状況からも、日本のDXの成熟度は手放しに肯定できる状況ではないということだ。

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