セールスフォース、自律型AIエージェント「Einstein Service Agent」発表
今回は「セールスフォース、自律型AIエージェント「Einstein Service Agent」発表」についてご紹介します。
関連ワード (マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Salesforceは米国時間7月17日、同社初の完全自律型AIエージェント「Einstein Service Agent」を発表した。現在はパイロット段階にあり、2024年後半に一般提供が予定されている。同システムは、事前にプログラムされたシナリオなしで幅広いサービスの問題を理解してアクションを実行する機能を搭載しており、カスタマーサービス業務の効率化を可能にする。
Einstein Service AgentについてSalesforceは、従来のチャットボットとは異なり、明示的にプログラムされた特定のクエリーだけでなく、コンテキストやニュアンスも理解するシステムだと説明する。「Einstein 1 Platform」に構築された同システムは、顧客のメッセージの文脈全体を分析し、大規模言語モデル(LLM)と連携することで、次に取るべきアクションを決定する。
Einstein Service Agentは、生成AIを用いて企業のビジネスデータに基づいて会話型式で応答を生成し、企業のブランドボイス、トーン、ガイドラインに合わせてカスタマイズできる。これによりカスタマーサービスの担当部門は、生産性の低下を招く大量の煩雑な問い合わせから解放され、コア業務に集中することが可能となる。顧客は、オペレーターによる人的対応を待つ必要がなくなり、より迅速に回答を得ることができる。
Einstein Service Agentは、24時間体制で顧客と自然言語でコミュニケーションを取り、セルフサービスポータルやメッセージングチャネルを通じて対応する。加えて、Einstein 1 Platformを活用し、企業が定義する明確なガードレール内で積極的にタスクを実行する。より複雑性の高い対応が必要な問題が発生した場合は、企業が設定したパラメーターに基づき、迅速かつ容易にオペレーターに引き継ぐ。同システムの具体的な特徴は以下の通り。
高度な推論と自然な応答:Einstein Service Agentは、高度な推論エンジンを使用して情報を解釈・処理し、顧客に回答を提供して問題を解決する。この推論エンジンはLLMと連携し、入力された情報の文脈全体を分析して顧客の意図を理解する。そして、データから論理的な推論を行い、さまざまな情報と関連付けて適切なアクションを決定する。同システムは、これらのアクションを実行するとともに、生成AIを用いて企業のブランドボイス、トーン、ガイドラインに沿った応答を作成する。
例えば、顧客が最近購入した靴を返品するためにオンラインのシューズ店にアクセスした場合、「Salesforce Data Cloud」を用いたEinstein Service Agentは、製品の詳細、購入履歴、顧客の好み、保証、在庫情報など、返品対応に必要な全ての顧客データとビジネスデータを保有する。同システムは、自動的に返品を処理するとともに一貫して顧客とコミュニケーションを取り、フォローアップ調査を送信して顧客満足度を測定することも可能だ。
信頼できるデータに基づく迅速な解決:Einstein Service Agentは、「Salesforce CRM」のデータを含む企業のビジネスデータに基づいて応答する。企業は、Data Cloudと「Unified Knowledge」を活用し、「Microsoft SharePoint」「Confluence」「Google Drive」、企業のウェブサイトやファイルといったサードパーティーシステムにおけるデータとナレッジを統合することも可能。これにより同システムは、顧客の特定のニーズと好みに合わせてパーソナライズされた正確な応答を生成できる。
通信事業者の顧客が新しい携帯電話を探している場合、同システムは顧客の購入履歴、データの使用状況、ウェブの閲覧活動、過去のサービスとのやりとり、マーケティングエンゲージメント、企業の製品カタログと在庫など、幅広いデータに基づいた生成AI応答を活用し、店舗スタッフが行うようにパーソナライズされたお勧めを瞬時に提供する。
クロスチャネルとマルチモーダルイノベーション:Einstein Service Agentは、「WhatsApp」「Apple Messages for Business」「Facebook Messenger」などのセルフサービスポータルやメッセージングチャネルを通して、いつでも顧客を支援できる。テキスト、画像、ビデオ、音声を理解する同システムにより、顧客は問題を言葉で説明することが困難な場合に写真を送信可能だ。
製造会社が最近購入した機器の問題を認識した場合、Einstein Service Agentは製品情報を検索し、顧客にカスタマイズされたトラブルシューティング手順を自動的に送信する。手順がうまくいかない場合、企業がエラーコードの画像をアップロードすると、Einstein Service Agentはその画像を分析して交換ユニットの送付が妥当かを判断し、より機能が充実したユニットを推奨してアップセルを提案することも可能だ。