常陽銀行、データ分析基盤に「VantageCloud on Azure」を採用–顧客への価値提供を向上

今回は「常陽銀行、データ分析基盤に「VantageCloud on Azure」を採用–顧客への価値提供を向上」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日本テラデータは7月23日、常陽銀行(水戸市)が「全行顧客情報系システム」のデータ分析基盤に「Teradata VantageCloud on Azure」とクエリーアクセスツールの「Teradata QueryGrid」を採用したと発表した。

 同行はデジタル変革(DX)を積極的に推進する中、データ活用による業務の効率化や新規事業の創出のみならず、地域や取引先の支援にも努めている。その一環として、データセンターからパブリッククラウドへの移行も進めている。

 説明会に登壇した常陽銀行 営業企画部 戦略企画グループ 調査役の倉持達也氏は「(サイロ化した)データも(Teradata QueryGridなら)利用しやすい」といい、VantageCloudの稼働環境である「Microsoft Azure」についても「構築済みのデータサーバーがあった」と話す。

 茨城県、栃木県に幅広いネットワークを保有する常陽銀行だが、親会社のめぶきファイナンシャルグループは2022年4月に始まった第3次中期経営計画で、DXによる伝統的銀行サービスの革新や経営基盤の強化、DX人材の育成を目指している。同行は以前からマーケティング用顧客情報データベースの「Teradata MCIF(Marketing Customer Information File)」を採用し、行員が入力した顧客関係管理(CRM)データと顧客情報や属性、口座残高の明細・取引情報などを連携させてきた。

 他行でもTeradata MCIFとCRMを連携・統合するケースは珍しくない。だが、同行では「オンプレミスではデータ容量を増やすには物理サーバーを追加しなければならず、システムとのデータ連携も開発が必要になる」(倉持氏)ことから、パブリッククラウドにAzureを選び、データ分析基盤にVantageCloudを選定した。同行と日本テラデータは2023年4月からシステム更改に着手し、予定していた2024年4月に完了させた。

 さらに今後は、顧客データベースを作成する「Teradata CDP(Customer Data Platform)」とのデータ連携に加えて、マーケティングオートメーション(MA)を通じた活用も計画する。そのため行員は、VantageCloudからデータを取得する「AccessNavigator Web」や分析ツールの「Prediction One」「Tableau」を用いて、データ可視化やAI分析を目指している。しかし、倉持氏は「現在は環境の土台を作っただけの状態。第一歩を踏み出すために利用できるデータ量の増加を考えている」と話す。

 日本テラデータと常陽銀行は10年以上のつき合いがあるという。同社 テクノロジー・セールス事業部 シニア・ソリューション・アーキテクトの松石基究氏は、VantageCloudに移行する利点として「センターレスの推進」「データファブリックの実現」「クラウドサービスとの連携」を挙げる。

 また、QueryGridについては「データベース同士をシームレスに接続・連携できる。必要なデータを物理的に集めることなく、論理的に統合することで、今まで活用が難しかったデータをリアルタイムに活用できる」と説明した。

 松石氏はほかにも、VantageCloudから外部オブジェクトストレージへの透過的なアクセスを実現する「Native Object Store」や、大規模分析を支援する「ClearScape Analytics」など、Vantageが備える機能をアピールした。

 今回の取り組みについても、「地方銀行ならではのきめ細かい顧客データをクラウドのサードパーティーデータと組み合わせることで、新たな分析能力につながる」(松石氏)と語った。

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