オープンソースとは違う新しい取り組み「Fair Source」登場。ビジネスの持続性とソースコード公開の両立を目指す

今回は「オープンソースとは違う新しい取り組み「Fair Source」登場。ビジネスの持続性とソースコード公開の両立を目指す」についてご紹介します。

関連ワード (意義、掲載、非難等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


企業がソフトウェアビジネスを持続的に行えることと、ソフトウェアのソースコードを公開することの両立を実現するための新しいライセンスへの取り組みとして「Fair Source」が登場しました。

Fair Source

Fair Sourceの定義は下記で示されています。

about Fair Source

意訳すると、ソースコードが公開され、開発者のビジネスを守るための最小限の制約がありつつもコードの利用や変更、再配布が可能で、計画的に一定期間後にオープンソースとなるもの、と言えるでしょうか。

具体的なライセンスとしては「Functional Source License (FSL)」が推奨されているのに加えて、「Fair Core License」「Business Source License (BSL)」が該当するとされています。

Fair Sourceの目的とは

公式Webサイトでは、Fair Sourceの目的が次のように説明されています。

The purpose of Fair Source is to legitimize the practice of companies meaningfully sharing the code for their core software products while retaining control of their roadmap and business model, without confusing this with Free and Open Source Software.

フェアソースの目的は、フリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアと混同することなく、企業が自社製品のロードマップやビジネスモデルを管理しながら、ソフトウェアの重要な部分のコードを意義ある形で共有できるように法律面で取り組むことです。

Fair Soruceを提唱したのはアプリケーション監視ソフトウェアを開発している「Sentry」(会社名はFunctional Software, Inc.)で、現時点でFair Sourceを採用し賛同する企業として「Ptah.sh」「Codecov」「GitButler」「Keygen」「PowerSync」「CodeCrafters」の6社の名前が掲載されています。

オープンソースに代わるライセンスの模索

ここ数年、オープンソースを採用してきた主要な企業の何社かが、その姿勢を転換する姿が目立っていました。

2019年には、RedisやMongoDBなどオープンソースを採用する複数の企業が、クラウドベンダがマネージドサービスを提供できないようにライセンスを変更しています。

参考:Redis、MongoDB、Kafkaらが相次いで商用サービスを制限するライセンス変更。AWSなどクラウドベンダによる「オープンソースのいいとこ取り」に反発

2021年にはElasticがAWSを名指しで非難しつつ、オープンソースで開発してきたElasticとKibanaのライセンスをそれまでの「Apache License 2.0」から、商用サービス化を制限する「Server Side Public License」(SSPL)と「Elastic License」のデュアルライセンスに変更すると発表しました。

そして昨年(2023年)、創業以来ずっとオープンソースライセンスを製品に適用してきたHashiCorpが、全製品のライセンスを商用利用に制限があるBusiness Source License v1.1(BSL1.1)に変更すると発表しました。

これらの企業はオープンソースに代わるライセンスとして、ソースコードの公開と持続的なソフトウェアビジネスの両立を実現するようなものを模索しているように見えます。

今回のFair Licenseは、まだ登場したばかりのライセンスとして大きなトレンドにはなっていないものの、新たな模索のひとつといえるでしょう。

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