NEC、学習者用端末の新モデルを発売–落下などへの耐久性や安全性を強化

今回は「NEC、学習者用端末の新モデルを発売–落下などへの耐久性や安全性を強化」についてご紹介します。

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 NECは10月3日、「GIGAスクール構想 第2期」の推進に向けて、学習者用端末の新モデル「NEC Chromebook Y4」の販売を開始した。2025年2月に出荷を開始し、2028年度までに200万台の提供を目指すという。同日に行われた記者説明会では、インフラ・テクノロジーサービス専業部門 スマートデバイス統括部 統括部長代理 上席プロフェッショナルの加藤賢一郎氏が登壇し、新モデルについて解説した。

 同社は、GIGAスクール構想 第1期において約160万台の学習者用端末を出荷している。これまで、全国500社のNEC販売店とともにネットワークなどを含めた環境の構築や運用を行ってきた。

 加藤氏は、「GIGAスクール構想 第2期では、既存の端末との入れ替えの検討が始まる。そこで、生徒の学びを止めないスムーズな入れ替え、学習状況の可視化と利活用が重要になると考えている。また、県の共同調達に対応できる出荷体制や導入作業、既存端末のリユースや処分問題に対応していく」とNECの展開を説明した。

 新モデルのNEC Chromebook Y4は、GIGAスクール構想 第1期で得た経験を基に、「堅牢(けんろう)性や耐久性の強化」「学校での使用を想定した品質試験の追加」「児童・生徒の学びを止めない周辺サービスの強化」――を行った。

 基本性能は従来モデルと同様、360度回転するコンバーチブルデザインを採用し、CPUやメモリー、通信機能などを強化した。同一筐体でWi-Fi/LTEモデルの2種類を選択できる。また、従来モデルの使用履歴や修理事例を基に、内部基盤をカバーでブロックしたセパレート構造を採用し、交換時のトラブルや作業工数を削減した。

 NECでは、故障した端末の修理を受け付けており、故障の原因を自社で調査・分析している。GIGAスクール構想 第1期では、「トップカバー」の修理が最も多く、続いて「液晶パネル」「メインボード」と続く。これらは落下による破損が多いが、ほかにも開口部への異物の差し込みによる発火・発煙、自転車のかごやランドセルでの持ち運びによる振動でネジが脱落するなどの故障が挙げられるという。

 これらの故障原因を踏まえ、新モデルでは安全性・堅牢性・耐久性を強化した。マザーボードからの電源供給を不要とする回路にするためサブボードの設計を変更し、ショートが起きにくく、発火・発煙に結び付きにくい基盤を設計。また、全ての電源供給ケーブルに保護回路を追加し、発火・発煙の発現を低下しているという。

 開口部への鉛筆や消しゴムなどの異物差し込み対策としては、開口部を極力減らし、左側面に集約した。加えて、机上の鉛筆を滑らせても開口部に入らない高さにし、発煙防止対策を徹底している。

 落下による破損対策も強化した。児童・生徒は通学や移動教室で端末を持ち運ぶ機会が多く、狭い机に置かなければならないため、端末の落下が多かったという。そこで、ゴムのような弾力性と硬質プラスチックのような強さを持つTPUを端末の外周に取り付け、生徒が気にならないように一体成型にした。また、ゴム足を増やすとともに接地面積を拡大し、机から滑りにくい設計を施した。筐体の表面は、グリップ感があり持ちやすく、傷が目立ちにくいテクスチャーを採用したという。

 2020年に端末を導入した学校では、2025年には更新の時期が迫り、入れ替えが必要になる。同社では、児童・生徒の学びを止めずに、既存端末との入れ替えと、端末の円滑な運用を支援するサービスを提供するという。

 既存端末とのスムーズな入れ替えでは、出荷前キッティングメニューを追加した。NECの倉庫内で起動確認や管理コンソールの登録作業、ラベル/フィルム貼りを実施した上で出荷する。これにより、販売店のフィッティング作業負担を軽減するとともに、導入までの時間を短縮できるという。

 また、学校への納品時に充電保管庫への収納やACアダプターの交換作業を行うなど学校のニーズに合わせて柔軟に対応する。加えて、旧端末の無償回収や買い取り、データ消去、証明書の発行にも対応するとしている。

 円滑な運用と活用を実現するために、NECは予備機運用サービスを無償で提供する。文部科学省の「公立学校情報機器整備事業補助金交付要綱」で定められる補助金対象の予備機(最大15%)を、同社が保管・修理、モバイルデバイス管理(MDM)再登録まで一元管理で行う。また、最大6年まで対応可能な延長保証や、エーピーエスと連携したヘルプデスク「GIGAスクール運用支援センター」で端末やアプリの問い合わせなどに対応するとしている。

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