エクイニクス、港区に最新データセンター–低遅延、高電力密度でHPC、AIに対応
今回は「エクイニクス、港区に最新データセンター–低遅延、高電力密度でHPC、AIに対応」についてご紹介します。
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エクイニクス・ジャパンは、9月に開設したInternational Business Exchange(IBX)データセンター 「TY15」を公開した。東京都港区港南に位置する都心型のデータセンターで、パブリックAI、プライベートAIの接続拠点としても機能する。
完全稼働時には首都圏エリアで最大規模となる3700キャビネットの収容能力を備え、東京都品川区にあるデータセンター「TY2」とダイレクトにファイバー接続できることが特徴。加えて、主要クラウドサービスなどにも低遅延で接続可能だ。
エクイニクスでは、都心型のIBXデータセンターとハイパースケーラー専用のデータセンターの2つを展開。東京都内におけるIBXデータセンターは、文京・大手町、豊洲・有明、品川の3つの地域に構える。
「データセンターがある地域を、私たちは『キャンパス』と呼び、1つの塊としてオペレーションしている。TY15は品川キャンパスに位置し、このロケーションにデータセンターが建つのは、エクイニクスならではのほかにはないケース」(エクイニクス・ジャパン 代表取締役社長の小川久仁子氏)と紹介した。
TY15は、IBXデータセンターとしての低遅延を維持しつつ、高電力密度を実現していることがポイント。「高性能コンピューティング(HPC)と人工知能(AI)に対応しようと思うと必然的に電力密度が上がる。そのためTY15は、低遅延をキープしつつ電力密度の高いデータセンターになっている。ただ、ハイパースケーラー専用のデータセンター同等の電力密度までは必要がないと考えている」(小川氏)と位置付けを明かした。そのため、TY15の一部にハイパースケーラー向けの技術を実装しているという。
「冷凍機、熱源設備は屋上に設置し、コロケーションルームでは、床をコンクリートスラブにしており、これをIBXデータセンターで採用するのは今回が初めて。それに伴い天井も二重構造にし、排気を上から吸い空調機に戻している」(エクイニクス・ジャパン 執行役員 IBXオペレーション本部の齋藤晶英氏)と内部構造について説明した。
空調には、⾼効率空冷大型チラー(冷却水循環装置)を採⽤し、年間における平均設計PUE(電力使用効率)は1.32とのこと。「空冷大型チラーは、中間季や冬季はフリークーリングでき、いかに効率よく電力を抑えて運用できるかに大きく貢献している。PUE1.32は、運用開始当初は若干高めだが、お客さまが増えてくれば限りなくここに近づいていく。昨今、水の使用量を抑えるWUE(水利用効率)も注目されているが、TY15は冷却塔があるわけではなく、完全にクローズドループになっているので、それほど水を使う施設ではない」(齋藤氏)とサステナビリティーへの取り組みについても触れた。
TY15では、建物内に国産木材を採用しているほか、電気自動車(EV)⽤充電器なども設置している。屋上では、屋外室外機置き場にサツマイモを植え、遮熱効果による空調機の省エネ対策を施すなど、屋上「芋緑化」にも取り組んでいる。