セールスフォース、「自律型AI」が企業と顧客の関係を変える–「Agentforce」日本発売へ
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セールスフォース・ジャパンは10月18日、自律型AIエージェント「Agentforce」の国内提供を開始すると発表した。人間が介在することなく、AIが自律的に仕事を進める自律型AIと位置づける。提供開始は10月30日。
Agentforceは、米国Salesforceが9月に発表しており、北米ではすでにパイロット版をスタートしているとのこと。セールスフォース・ジャパン 専務執行役員 製品統括本部 統括本部長の三戸篤氏は「今まではAIを使うという概念だったが、今回はAIを雇う、採用する、という世界に変わってくるのではないかと私自身は思っている」とコメントした。
今までの生成AIが、会議の議事録やユーザー向けのメールを作成していたことに対し、Agentforceは、顧客関係管理(CRM)上でシームレスに連携していることが特徴。例えばホテルの宿泊客から「アクティビティーを教えて」とチャットボットで問いかけられると、宿泊客の好みを把握した上で、返答するなど、より個人に最適な答えが得られる。
「今までのチャットボットは、質問のパターンを洗い出し、ロジックツリーを作り、規定通りに動いていた。そのため、少しふんわりとした質問をすると答えを返してくれないなど、限界があった。AgentforceはCRMやデータとつながることで『注文が届かない』といった問い合わせであれば、在庫状況を確認し、在庫がない場合は返金対応するのか、待っていただくのかという最終的な答えまで導き出せる」(製品統括本部 プロダクトマネジメント&マーケティング本部 シニアマネージャーの前野秀彰氏)と具体例を挙げる。
このような環境を提供できる一つのポイントが「Atlas推論エンジン」の搭載だ。これは、取得したデータから状況を理解し、その上で適切なアクションを顧客に対し提供していくというもの。これにより、商品が届かないという問い合わせに対し、在庫の状況を確認する、在庫がなくて発送できない場合は企業としてどういう対応をとるべきかを判断する。「データやアクションを組み合わせながら考えることができる。この思考をつかさどるのがAtlas推論エンジン」(前野氏)と説明した。
コンタクトセンター、カスタマーサポート、顧客サービスなど領域で、AIを活用し自律的なサポートを実現するAgentforceは、ウェブサイトでの対応だけでなく、「LINE」「Facebook」、モバイルアプリなどさまざまなデジタルチャンネルで使用することが可能だ。
製品統括本部 プロダクトマネジメント&マーケティング本部 シニアディレクターの山瀬浩明氏は「さまざまなチャネルで活用できるため、24時間、いつでもどこでもお客さまに寄り添った顧客サービスを提供できる。Salesforceのプラットフォーム上で使えるため、お客さまの情報を理解した上での接客が可能。つまり、お客さまに寄り添った、パーソナル化された手厚い顧客サービスを自律的に実現できるようになる」と幅広い活用法をアピールする。
自律型AIの機能を最大限に盛り込みつつ、「Agentforceと人間の共生もできる。セキュリティのガードレールを定義すれば、領域を超えたところで人間にバトンタッチし、問い合わせ情報などを引き継げる」(山瀬氏)と、仕事をすみ分ける。
同日には、エージェントエコシステム「Agentforce Partner Network」も発表。Agentforce向けの新しいサードパーティー製AIエージェントとエージェントアクションを構築するというもの。サードパーティーの拡張機能をインストールし、すぐに利用可能なAIエージェントをカスタマイズしたり、特定のスキルを持つ新しいAIエージェントを構築したり、特定の業種、業務内容、または独自のユースケースのためにパートナーが構築したAIエージェントを導入したりできるようになるとしている。
三戸氏は「AgentforceのようなツールをITベンダーとして提供するのは私たちが初めてではないかと思っている。このような新たなチャレンジを私たちは25年間続けてきた。これからもチャレンジし続けていきたいと考えている」とした。