ITプロジェクトの資金を確保するには–テクノロジーの利点を伝える5つのコツ

今回は「ITプロジェクトの資金を確保するには–テクノロジーの利点を伝える5つのコツ」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 テクノロジーは、企業にとってこれまで以上に重要になっている。人工知能(AI)や機械学習(ML)といった注目度の高いイノベーションにより、ITへの投資は増加の一途をたどっている。調査会社IDCによると、世界のデジタルトランスフォーメーション(DX)支出は2027年に約4兆ドルに達する見通しだという。

 しかし、DXへの多額の資金投入が続いているといっても、全てのプロジェクトが資金提供を受けられるわけではない。自分の画期的なアイデアを取り入れてもらいたい場合に、どうすればテクノロジーの利点をうまく伝えることができるだろうか。

 5人のビジネスリーダーが、プロジェクトのアイデアを経営幹部やその他のビジネスパーソンに印象付けるためのコツを語った。

 金融サービス企業L&Gでグループ最高データおよび分析責任者を務めるClaire Thompson氏は、プロジェクトを理解してもらいたいなら、その利点をビジネス戦略に結び付けるのがいい、と述べた。「自分の提案が組織と従業員にどう役立つかを明確に示さなければならない」とThompson氏は語る。重要なのは、1つのシンプルなメッセージで全員の共感を得られるわけではない、と理解することだという。

 戦略目標を明確にすることが不可欠だが、個々の要件への共感も重要だ。「メッセージを組織の核となる全体的なテーマと深く結びつける必要がある」とThompson氏。「しかし、プロジェクトの実行方法や、ビジネスの各領域が注力する対象は、それとは異なるものになる」

 Thompson氏はそのアドバイスについてさらに詳しく説明し、自身のチームがデータイニシアチブの利点をL&G全体にどう伝えているかを語った。

 「財務部門がデータに求めるものは、リスク部門や小売部門、資産管理部門が求めるものと異なる」と同氏は述べた。そのため、ストーリーを調整することが重要だ。例えば、新しいテクノロジープロジェクトがより大きなビジネス戦略とどのように結びついて、各部門の利益につながっていくかを示す。「利害関係者のニーズに耳を傾け、彼らが克服する必要がある課題に焦点を当てる」

 Nash Squaredの最高情報責任者(CIO)であるAnkur Anand氏は、ほとんどの人がテクノロジーの価値を「全体像」として把握している、と説明した。しかし、実装の複雑さや新しい働き方を採用する際の文化的な問題によって、テクノロジーに対するビジョンが曖昧になることが多い。

 「要するに、頭では論理を理解しているが、心の中では変化は難しいと感じている。それに、本来の業務もこなさなければならない」(Anand氏)

 Harvey Nashが先頃実施した調査で、テクノロジー専門家はコミュニケーションスキルの高さが未来の優秀なリーダーの最も重要な要素だと考えていることが分かった、とAnand氏は米ZDNETに語った。

 「テクノロジーのシンプルで現実的な利点に注意を向けさせることは、問題とはみなされず、むしろ職務の重要な一部と考えられている」とAnand氏は述べた。同氏によると、成功するプロフェッショナルは新しいテクノロジーを支持し、その価値を実証するという。変化を支持する人たちの強力なチームを組織内に立ち上げれば、採用を促進し、一貫したメッセージを確実に伝えることができる。

 「コミュニケーションを調整して、従業員とクライアントに『どんな得があるのか』を明らかにし、直接的な利点と改善を強調しよう」とAnand氏。「専門用語を含まない明確な言葉を使って、インフォグラフィックやデモなどの視覚的なデータを活用し、複雑な概念を理解しやすくする」。プロジェクトの展開を開始した後、学習機能に投資すると、ビジネス部門のテクノロジーへの理解を深めて、エンゲージメントを高める効果があるという。

 「また、これらのチームに継続的にフィードバックを求めることで、導入に伴う摩擦に対処し、全体的な能力を高めることができる」(Anand氏)

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