NTT Com、ドローンとIoTで配水ポンプ場を見守る–五感をデジタルに置き換え

今回は「NTT Com、ドローンとIoTで配水ポンプ場を見守る–五感をデジタルに置き換え」についてご紹介します。

関連ワード (ネットワーク等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 NTTコミュニケーションズは11月19日、屋内用ドローンポート「Skydio Dock」と低軌道衛星を利用した衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business」を活用した配水ポンプ場のドローンによる自動巡回に成功したと発表した。月1回実施している点検をリモート化することで、点検時間の削減を目指す。

 ドローンによる自動巡回の実証実験は、仏向(ぶっこう)ポンプ場(横浜市)で実施したもの。配水ポンプ場内におけるドローンの自動離着陸と自動給電を行ったほか、事前に設定された自動飛行ルートを複数回実行し、撮影対象物を繰り返し同じ位置で撮影できたという。

 横浜市内には配水ポンプ場が23カ所あり、仏向ポンプ場はその中の一つ。横浜市保土ケ谷区、旭区の一部への給水を担う。ポンプは高台にある住居などに給水するための装置。丘陵地帯の多い横浜市では、多くの地域でポンプによる配水が必要だ。仏向ポンプ場には5台のポンプが稼働し、1日に平均2万立法メートルを配水する。

 現在、ポンプ場は月1回、4人の職員が1ポンプ場当たり1日をかけて点検。執務室がある浄水場からの移動には往復で最大2時間を要するケースもあるという。点検業務は、ポンプ設備に異常がないかを目視するほか、音や設備の振動などから、五感を使い確認しているとのこと。そのためベテランの職員による「職人技」に寄る部分も大きい。

 今回のドローンによる自動巡回は、ポンプ場へ出向く回数の減少と、ベテラン職人の技術の形式知化により、点検の省力化を目的に実施。ポンプ場内の12カ所をホバリングし、撮影することで画像データを取得し、巡視による代替としたほか、設備にIoTセンターを設置し、振動や湿度のデータを取得。劣化状態を把握したという。

 使用したドローンSkydio Dockは、本体に計6つのレンズを備え、全地球測位システム(GPS)が取得しづらい環境でも安定的に飛行ができることが特徴。カメラから得られるデータを基に、全方位の障害物を回避できる機能も持ち、安全性も高いという。撮影した映像や画像は、クラウドサービス「Skydio Cloud」経由でリアルタイムに伝送し、現地での目視と同等レベルの確認が可能だ。

 IoTセンサーは、通信関連のソリューションサービスを手掛けるコネクシオとポンプメーカーでもある酉島製作所の2社が協力。人による検査と同等、もしくはそれ以上の異常を遠隔から検知することを目指しているという。

 今回の実証実験では、Starlink Businessを設置し、メッシュWi-Fiの「PicoCELA(ピコセラ)」を複数台組み合わせることで、ポンプ場内全域でWi-Fiエリアを構築。安定的な通信に成功したとのこと。

 NTTコミュニケーションズ プラットフォームサービス本部 5G&IoTサービス部 ドローンサービス部門 主査の石川泰典氏は「ドローンがあれば、現場の動画を確認し、状態が分かるので、現場に駆けつける時も故障に合わせた復旧の準備ができる。水道の復旧には大きく役立つと考えている」とコメントした。

 今後は、今回の実証実験の取りまとめ、有効性が確認できた場合は1年1カ所ずつ、ポンプ場にドローンとセンサーを導入していく予定。2028年以降、全ての配水ポンプ場に順次導入を計画する。

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