教育格差を埋める「AWS Education Equity Initiative」を発表、教育機関にAWSクレジット提供

今回は「教育格差を埋める「AWS Education Equity Initiative」を発表、教育機関にAWSクレジット提供」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月4日、同社が開催する年次イベント「re:Invent 2024」で「AWS Education Equity Initiative」を発表した。これは、世界中で十分な教育を受けられない学習者のためにデジタル学習ソリューションを構築し、提供する組織を支援する取り組みになる。今後5年間で最大1億ドルのAWSクレジットを拠出するという。

 同日に行われた基調講演では、AWSでデータおよびAIを担当するバイスプレジデントのSwami Sivasubramanian氏が、「キャリアアップする上で、学生は適切な環境があってこそ花開くと思う」と教育環境の重要性を説き、同プログラムを発表した。十分な教育を世界中に敷くにはテクノロジーの革新と投資が必要になるが、資金などの課題があり、実行するには限界がある。

 AWSではさまざまな背景を持つ学習者に対して無償でクラウドスキルトレーニングやAIスキルトレーニングを提供している。既に、全世界で200万人以上の学習者に無料でAIスキルトレーニングを提供しており、クラウドスキルトレーニングは2900万人に提供する目標を掲げている。

 会期中に、Social Responsibilityのシニアマネージャーを務めるTom Berry氏に同プログラムについて話を聞く機会を得た。同氏は学習者への支援を展開するに当たり、「十分なサービスを受けていない学習者がいるコミュニティーや、彼らがどのように学習しているかを聞いた。すると、彼らがデジタル学習にアクセスする必要があると気付いた。デジタルラーニングにアクセスできるようにするための最良の方法を考え、『AWS Skill Builder』やそのほかのリソースを無料で提供する取り組みを始めた」と話す。

 しかし、児童・生徒や教員に対する研修などを進める中で、ギャップに気付いたという。「テクノロジーを用いて学習体験を構築するアイデアを持っているのにリソースが足りず、クラウドやAIなどのテクノロジーを利用できない人々がいる。加えて技術的なアドバイスも不足している。そこで今回のプログラム(AWS Education Equity Initiative)を立ち上げた」と背景を説明した。

 同プログラムに応募できるのは、恵まれない学習者へのアクセスを拡大するデジタル学習ソリューションを作成・提供している非営利団体(NPO)や政府、EdTech企業など。世界中の国が対象となり、「もちろん日本も含めている」と同氏はいう。

 参加した組織は、クラウドクレジットを利用してAWSのクラウドテクノロジーとAIサービスを活用し、AIアシスタントやコーディングカリキュラム、学生向けプラットフォーム、モバイルアプリ、チャットボットなどを構築できる。サポートが必要な場合は、クラウドスキルの成熟度に応じてAWS認定ソリューションアーキテクトから技術的なアドバイスを受けられるという。

 特に若い学習者を優先したプログラムであるため、識字能力や数学的なスキル、コンピューターサイエンス、デジタル/AIリテラシーなどのスキルも支援するとしている。

 AWSでは既に10カ国の50以上の組織と協力し、十分なサービスを受けていない組織にデジタル学習ソリューションを提供する機会を設けている。幼稚園、小学校、中学校、高等学校向けにコンピューターサイエンスとAI教育を提供するCode.orgは、AWSのクラウドクレジットを利用し、生成AIアプリケーションを構築できる「Amazon Bedrock」で教員向けのAIアシスタントを構築した。これにより、生徒のプログラミングの評価に費やす時間を最大で50%削減できたという。

 ほかにも、インドの幼児教育団体であるRocket Learningでは、生成AIアシスタント「Amazon Q in Quicksight」を用いて300万人以上の児童の学習成果を向上させた。教員や保護者に配信されるビデオやコンテンツの傾向・効果を分析するプロジェクトを広げている。この分析により、言語や文化の違いを考慮しながら、多様な地域の子どもたちの学習成果を高めるためにコンテンツを最適化できるのだという。

 同プログラムを特に展開したい地域についてBerry氏は、「どの国にもこのプログラムのニーズはあるが、私たちはグローバルマジョリティーの国々を優先したい。つまり大きな隔たりがある国のこと。私たちが指す『十分なサービスを受けていない国』の基準として、世界銀行の学習貧困指数を利用している」と説明する。また、国ごとに状況は異なるため、それぞれに応じて新しい方法を考え出すことが必要だと同氏は述べている。

 AWSは同プログラムを通して、NPOとしての使命の達成に役立つソリューションを構築した組織が教育の行政機関に提供できるようになることを目指す。また、行政機関は組織に対して資金を提供し、ほかのNPOに素晴らしいソリューションを広め、採用に至ることで学習者の支援にもつながるとしている。

 Berry氏は、「教育の機会は全ての人が享受できるべきだと信じている。そして私たちの役割はできるところから多額の投資を行い、エコシステムがより強固になるように支援する。私たちがこれまで行ってきた全てのコミットメントと新しいコミットメントは、不公平が起きている場所に最も近い場所にいる人々のテクノロジーへのアクセスを民主化することだと信じている。これにより、子どもたちの学習機会を広げている」と語った。

(取材協力:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)

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