データ主権要件に対応するソブリンクラウドと次世代AIサービスを提供–日本オラクル・三澤社長

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 2025年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。

日本オラクル 取締役 執行役 社長 三澤智光氏

 2024年6月に始動した2025年度の日本オラクル事業戦略では、「日本のためのクラウド提供」と「お客さまのためのAI推進」の2つの方針を掲げています。この方針を引き続き強化し、日本企業の基幹システムの進化を支え、新たな価値の創造を目指します。

 今年もIT投資における「レジリエンス」の強化が重要なテーマです。レジリエンスとは、「困難や脅威に柔軟に対応し、回復する力」を指し、不確実性が高まる中で迅速な適応と事業の成長を支える鍵となります。この重要性を共有し、共に取り組むことが求められます。

 また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、新規事業への投資が加速する一方で、既存のIT基盤のアップデートが後回しとなる課題も見受けられます。迅速なシステム復旧やデータドリブンなシステムの構築を通じ、既存事業を強化し、新たな挑戦を支える基盤を構築することが重要です。

 2024年、オラクルは革新的なクラウド技術と強固なパートナーシップにより、国内外でのプレゼンスを大きく強化することができました。特に、「Oracle Cloud」の独自性を際立たせる5つの分野――AI、専用クラウド、マルチクラウド、ミッションクリティカル、SaaS――において顕著な進化を遂げました。これにより、顧客企業が抱える課題の解決と成長支援をさらに強化できる体制が整いました。

 AI分野では、GPUを大規模に搭載した最先端のAIスーパーコンピューター「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)Supercluster」による卓越した処理性能を提供し、企業がAIを実用化するための基盤を整備しました。また、専用クラウドでは、日本企業のデータ主権や運用主権に係る要件に対応する「Oracle Alloy」を活用し、野村総合研究所さま、富士通さま、NTTデータさまとの協業を強化しています。これらの取り組みを通じて、地政学リスクや経済安全保障リスクに対応し、データ主権および運用主権の要件に対応するソブリンクラウドとAIの提供を推進していきます。

 さらにマルチクラウドでは、主要クラウド事業者(Microsoft Azure、Google Cloud、Amazon Web Services)との連携を強化し、「Oracle Database」サービスの柔軟な利用環境を実現しました。ミッションクリティカル分野では、最高水準の性能とセキュリティを兼ね備えたOCIで、企業の信頼に応えています。

 日本オラクルは、政府・自治体システムのモダナイゼーションを目的としたデジタル庁のガバメントクラウド推進に注力しています。この取り組みの一環として、和歌山市さま、愛媛県宇和島市さまがOCIの採用を決定。群馬県富岡市さまは基幹システム群を、OCIを基盤としたガバメントクラウド上で稼働しています。また、単なるクラウド提供にとどまらず、政府・地方公共団体の職員や支援パートナーを対象としたリスキリングや人材育成プログラムを国内で展開しています。OCIの優れたコストパフォーマンス、セキュリティ、そしてミッションクリティカルシステムでの豊富な実績を生かし、日本の自治体におけるクラウド活用の拡大を支援しています。

 オラクルは、「Oracle Fusion Cloud Applications」と「Oracle NetSuite」にAI機能を強化し、迅速な導入、高い拡張性、多様なニーズに応える柔軟なSaaSソリューションを提供しています。Fusion Applications全体には50以上のAIエージェントを展開し、幅広い実世界のユースケースに対応します。例えば、人事分野では従業員からの問い合わせをサポートし、財務では請求書承認を自動化、サプライチェーンではリアルタイムデータ提供や部品注文の自動化を通じて技術者を支援します。これらのAIエージェントは、人と協働する次世代ツールとして設計され、従来のAIを超える高度な機能を備えています。オラクルは生産性と業務効率を向上させ、ビジネスプロセスの自律的管理を可能にします。これらのAI機能が本格化することで、お客さまは戦略的活動に集中できる環境を実現し、ビジネスアプリケーションの進化を実感できる年となるでしょう。

 これらの取り組みは、10年間で日本国内での累計80億ドル以上の投資を背景に、「Oracle Cloud」の事業拡大を通じて実行していきます。日本におけるOCIの事業拡大に伴い、日本国内の現地サポートおよび運用チームの拡充により、お客さまとパートナー企業がデジタル主権要件に対応するよう支援してまいります。

 2025年2月13日には、「Oracle CloudWorld Tour Tokyo」を開催します。このイベントでは、AIを活用したビジネス価値の最大化方法や最新のクラウド技術、自動化による生産性向上について、業界のエキスパートから実践的な知識を直接学ぶことができます。「Oracle Cloud」のAIサービスやインフラ、アプリケーション、データベース、開発者向けツールを駆使したビジネス課題の解決方法を共有し、多くの皆さまにとって有益な機会となることを期待しています。

 2025年10月に日本オラクルは創業40周年を迎え、4月には東京証券取引所上場25周年の節目を迎えます。この機会に、日本に根ざした企業活動をさらに推進するとともに、これまで支えていただいたお客さまやパートナー企業の皆さまへ心より感謝申し上げます。そして、次の40年に向けて、さらなる革新と成長を目指し、新たな決意で歩みを進めてまいります。

 2025年は、日本企業の成長とイノベーションを支える基盤づくりにまい進する年です。変化に強い企業づくりをお客さまと共に目指し、未来を切り開いてまいります。

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