パナソニック楠見CEO、Anthropicとの提携は「明確な選択肢」–12年ぶりCES基調講演

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 ラスベガスで開催中の「CES 2025」のオープニングキーノートが、現地時間の1月7日午前8時30分から、ザ・ベネチアン リゾート ラスベガス パラッツォボールルームで行われ、パナソニック ホールディングス 代表取締役 社長執行役員グループ最高経営責任者(CEO)の楠見雄規氏が登壇した。

 パナソニックグループのCEOが、CESの基調講演に登壇するのは12年ぶりとなる。AIを活用したビジネスへの変革を推進するグローバルな企業成長イニシアティブとする「Panasonic Go」を新たに発表。2035年度までに、AIを活用したハードウェアやソフトウェア、ソリューションを、グループ売上高全体の約30%にまで拡大することを明らかにした。また、サプライチェーンマネジメントソリューションのBlue Yonderにおいても、Panasonic Goを通じて、AI主導のイノベーションを加速できることを強調した。

 基調講演で、楠見氏が発表したPanasonic Goは、パナソニックグループが培ってきた知見や技術、ハードウェアを最大限に活用しながら、そこにAIを組み合わせることで、競争力の高いビジネスへと変革させ、さまざまな領域において、パナソニックグループならではの「お役立ち」を果たすものになると位置づけている。

 技術や製品、サービスを指すものではなく、「企業成長イニシアティブ(先駆的な取り組み)」と定義しており、基調講演の中で、楠見氏は、「Panasonic Goによる変革を通じて、パナソニックの全てが変わることになる」との見方を示した。

 Panasonic Goによって、AI活用をより加速することになる事業の一つが、サプライチェーンマネジメントソリューションを提供するBlue Yonderである。

 これまでにも、サプライチェーンの領域において、独自の小規模言語モデルを複数用いて、AIオーケストレーションを実現してきた経緯があり、予測AIと生成AIを組み合わせることで、データの価値を引き出して、「オートノマス(自律的)サプライチェーン」を構築したり、複数企業を結んだマルチティア(多層)なサプライチェーンプラットフォームを構築したりといった成果を生んでいる。

 楠見氏は、「Blue Yonderは、サプライチェーン技術に関する400件以上の特許を持ち、高度なデータ分析とAIを使ったグローバルサプライチェーンを再発明している企業である」とコメント。

 Blue Yonderによると、AIを活用して、毎日200億件以上の予測を行い、小売業者や製造業者、物流サービスプロバイダーに対して、計画からフルフィルメント、輸配送、返品に至るまでのサプライチェーン全体の最適化を支援しているという。

 基調講演に登壇したBlue Yonder 最高戦略責任者(CSO)のWayne Usie氏は、「現代のサプライチェーンは非常に複雑であり、多くの企業が、時代遅れのテクノロジーや、運用上のサイロに悩まされている。今や、AIが私たちの仕事やビジネスの方法を変えることは誰もが知っている。Blue Yonderのプラットフォームを活用することによって、あらゆる業界のサプライチェーンが、AIによる大規模な変化の恩恵を受けることになる」と自信を見せた。

AIがサプライチェーンに影響を与える5つの方法

 Blue YonderのAI機能を導入した事例として紹介したのが英国のスーパーマーケットチェーン「Sainsbury’s」である。AIの活用により、傘下にある600以上のスーパーマーケットと800以上のコンビニエンスストアのオペレーションを変革し、時間とコストを節約しているという。

 同社では、Blue Yonderとの連携によるサプライチェーン変革プログラムを推進。店舗環境では、カメラやAIモデルを活用して盗難を検知。来店客がどのように買い物をするのかをモニターし、盗難の可能性がある場所を予測できるようにしている。さらに、顧客がどこで食品を購入するかを予測し、行動を理解することで、マーケティングの観点から、最適な対応を図っているという。

 また基調講演の中では、Blue YonderのUsie CSOが、AIがサプライチェーンに影響を与える以下の5つの方法を挙げた。

 「パナソニックグループは、AIの取り組みにおいては新しい会社ではない。だが、Panasonic Goによって、グローバルなサプライチェーンのために、よりスマートで、より安全で、より持続可能なソリューションを作り続け、より多くのAI主導のイノベーションを期待することができる」と語った。

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