「生成AIが持つ事業へのインパクトの大きさを直感」–明治安田、先端技術を全社横断的に活用

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 アクセンチュアと明治安田生命保険(明治安田)は1月16日、パートナーシップ契約を締結したと発表した。これは、生成AIを中心とする先端技術の活用に関して全社横断的な業務実装と人材育成を大きく進めるためのパートナーシップ契約になるという。

 同日に行われた記者会見では、明治安田生命保険 取締役 代表執行役社長の永島英器氏、アクセンチュア 代表取締役社長の江川昌史氏、同社 執行役員 データ&AIグループ日本統括 兼 AIセンター長の保科学世氏がパートナーシップにおける具体的な取り組みについて説明した。

 明治安田では、10年計画「MY Mutual Way 2030」で掲げる「『ひとに健康を、まちに元気を。』もっとも身近なリーディング生保へ」の実現に向けて、「人とデジタルの効果的な融合」を重点方針の一つとし、DX戦略を推進している。また、2024年からの中期経営計画においては、「生命保険会社の役割を超える」というテーマのもと、営業サービス・フロントのさらなる強化に向けた人の役割の高度化や、人中心経営の推進、IT・デジタル投資の拡大を進めている。

 永島氏は「中期経営計画は、『ChatGPT』を踏まえて策定している。私はこのテクノロジーが持つ社会・事業へのインパクトの大きさを直感し、また当社が大切にする人の役割の高度化を実現する絶好の機会と捉え、直ちにこうした横断での検討組織を立ち上げつつ、具体的な業務の導入に向けた検討・試行に着手し、経営計画に反映するように社内に指示をした」と、同社で生成AIを活用するきっかけについて述べる。

 同社では、生成AIなどの先端技術の本格導入に向けた検討・試行を進める中で、ハルシネーションなどのリスクへの対応やAIガバナンス、テクノロジーの進化への備えといった課題に直面したという。同氏は「この課題を前に、先端技術をあらゆる領域で取り入れて事業運営を大きく変化するために、全ての役職員をこれからの時代でも勝ち抜ける人材に変えていく挑戦が不可欠と考える。また、生成AIを活用するための態勢やデジタル基盤の整備などに挑戦するためのパートナーとして、アクセンチュアの全面的な知見をいただく」と説明した。

 今回のパートナーシップ契約では、アクセンチュアの伴走型の支援を受けながら、先端技術の全社横断的な業務実装に向けた検討・開発(モノづくり)と、検討・開発プロセスを通じた実践的な人材育成(ヒトづくり)に取り組む。契約は2030年3月までとしており、300億円規模の投資を想定している。加えて、システム開発と業務実装、DX・AI関連領域で中核を担う存在として300人のコア人材の育成を目指すとしている。

 具体的には、(1)生成AIなどを活用するための態勢・基盤作り、(2)生成AIなどの活用を前提とした業務プロセスへの変革――に取り組む。

 (1)では、ヒト/モノづくりを共同で推進する社内先端組織としてデジタルイノベーションハブを創設する。ハブでは、経営戦略上の重要なテーマや取り組みごとにチームを組成し、アクセンチュアの伴走を受けながら実装に向けた検討・開発と人材育成、次世代のリーダー人材の養成を進める。アクセンチュアは、明治安田の人材育成に対してAI人材の投入をはじめ、アクセンチュアが培った研修コンテンツや人材アセスメント、フィードバックなどの育成の方法論・仕組みを提供し、伴走型の支援をしていくという。

 また、将来の変化への柔軟性や拡張性、機能性を確保し、あらゆるAIやデータ活用を統合的に管理する「AI Hub プラットフォーム」を活用する。保科氏は、AIを業務に組み込むに当たり、「AIの進化への備え」「複数AIの組み合わせ」「責任あるAIへの備え」「社内情報との連携」「外部サービスの積極活用」が重要であるとし、この5点に対応するAI Hub プラットフォームを構築し、役職員を支える各種AIを実装していくとしている。

 (2)では、先端技術の活用を前提とした業務プロセスへの全社横断的な変革に向けて、役職員向けの「デジタル秘書 MYパレット」を開発・拡張する。デジタル秘書は、明治安田の営業担当者やマイニングコーディネーターを含めた全役職に順次展開し、業務プロセスの変革を推進する。営業担当者向けのMYパレットは、顧客の属性や趣味嗜好(しこう)、地域のイベント情報などのデータをAIが瞬時に分析し、営業担当者に対して最適なコミュニケーションのアドバイスを行う。

 さらに、「人ならではの価値」を生み出す業務へシフトするために、「BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)2.0」を掲げ、生成AIなどのテクノロジーを積極的に取り入れながら業務効率化を進める。また、この取り組みに関わる各部署の実務担当者にはBPRのノウハウやデジタル導入・活用に関するスキルを習得し、各部署のDX推進や業務プロセス変革の先導役としての活躍を期待しているという。

 保科氏は、AIを自社で役立てるためにはデータが重要だと強調する。特に、生命保険会社がデータを利用することで、中長期的な視点で顧客への提案ができるのではないかとしている。例えば、保険会社やパートナー企業が保有するデータを掛け合わせることで、顧客の健康動向の傾向分析と予測に基づいた個別最適化された保険プランの提案や、リスクファクターの変遷と予測に基づき、疾病発症リスクが高い顧客への早期アプローチができると期待する。

 アクセンチュアとのパートナーシップ契約について永島氏は「私は常々、保険も雇用もメンバーシップと言っており、コンサルティング会社を、スキルを切り売りするジョブ型の典型と捉えていたため、これまで正直、少し距離を置いていた」と吐露。「しかし、江川社長からアクセンチュアが持つ知見・スキルを余すことなく明治安田の役職員に分け与えながら、中長期的な時間軸で私たちが求めるヒトづくり、モノづくりを実現することにコミットしていくとの話があった。このような対話を通じて、アクセンチュアは当社と志を同じくして価値を共に創る、競争できる仲間、一緒に歩んでいけるパートナーと確信するに至った次第だ」と明かした。

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