製造業での「2025年の崖」認知度が低い状況に–八千代ソリューションズ調査
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設備保全事業を手掛ける八千代ソリューションズは、製造業の後工程(保全、生産技術、組立/加工、品質)従事者を対象に実施した「製造業DXに関する市場調査」の結果を発表した。それによれば、回答者の「2025年の崖」に関する認知度が低く、DXの取り組み意識も職位間の差が目立つことが分かった。
調査は、ネオマーケティングの協力で、全国の製造および鉄鋼の後工程の従事者を対象に、2024年11月28日~12月2日にインターネットで実施した。回答者は500人。
まず、経済産業省が2018年に提唱した、古い基幹業務システムの未刷新が長期的に企業や日本の産業競争力の低下につながるなどとする2025年の崖への対策状況では、61.0%が「認知していなかった」と回答。「認知しており、対応の意思はあるが、実行できていない」が15.0%、「認知しているが、対応予定なし」が13.0%、「認知しており対応をしている」が11.0%だった。
次に、回答者の勤務先におけるDXの取り組みの進展状況では、「分からない」が35.0%、「取り組んでいる」が23.4%、「計画も検討もしていない」が21.8%、「検討中」が19.8%だった。さらに役職別で見ると、「取り組んでいる」とした回答者が中間管理職層で44.0%だったのに対し、現場層では16.0%、経営層では24.3%にとどまった。また、「分からない」とした回答者は、中間管理職層で11.0%、現場層で8.4%だったが、経営層では52.9%にも上った。
これらの結果について同社は、2025年の崖の認知度では、「経済産業省が警鐘を鳴らしている一方で、認知度は依然として低く、多くの企業でデジタル化への取り組みが進んでいない現状が明らかになった」と指摘。DXの取り組みでは、「経営視点でのDX推進への消極的な姿勢が浮き彫りになった。中間管理職層がDX推進に一定の取り組みが見られる中、経営層や現場層がその動きを支える役割を果たせていないギャップが浮き彫りになった」と分析している。
設備保全に関する質問では、技術伝承の完了に必要と考える期間で43.4%が「5年以上」と回答し、技術伝承が短期間で完了するケースが少ないことが分かった。また、回答者の勤務先で保全業務に携わる従業員の年齢構成を尋ねたところ、定年退職までの期間が短い60歳以上の熟練者が19.5%、50~59歳代で27.0%に上った。同社は、技術伝承に5年以上を要する傾向が高いことを考慮すれば、熟練者からより若い世代への引き継ぎで完了前に熟練者がいなくなる危機的状況に直面する可能性が高いと指摘している。