現場DXのカミナシ、スマホと二次元コードで工場の設備保全を推進

今回は「現場DXのカミナシ、スマホと二次元コードで工場の設備保全を推進」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 現場DXプラットフォーム「カミナシ」シリーズを展開するカミナシは2月3日、工場設備などの安定稼働を支援するクラウドサービス「カミナシ 設備保全」の提供を開始すると発表した。設備の老朽化や人手不足、技術継承といった課題をデジタル化して解決に導く。

 カミナシは、代表取締役 最高経営責任者(CEO)の諸岡裕人氏が2016年に設立。諸岡氏の実家の家業である食品工場を運営していく中で、紙が中心でアナログだった現場の働き方を変えたいという思いから立ち上げた。

 既に、現場の帳票をデジタル化する「カミナシ レポート」などのサービスをリリースしており「設備」「現場作業」「人」と、現場のマネジメントに重要な3つの要素に特化したサービスを手掛けている。

 新たに発表したカミナシ 設備保全は、設備台帳、保全記録、異常報告など、設備保全に関連する情報を一つのシステム上で管理できるクラウドサービス。紙や「Excel」で管理していた故障などの記録を一元化することで、データとして蓄積し、予防保全にもつなげる。

 カミナシ 取締役 最高執行責任者(COO)の 河内佑介氏は「工場などの設備が故障すると、生産現場の担当者が設備保全の担当者を呼びに行くなどの仕事が生じる。食品などの工場であれば、担当者を呼びに事務所に行くだけでも、再入場の際に手洗いや殺菌、エアシャワーなどの手順が生じ、15分程度の時間をロスしてしまう。さらに報告を受けた設備担当者は異常箇所を確認し、勘と経験に頼って修理に取り組むというのが今までの流れ」と現状を説明する。

 開発に当たり、カミナシでは200社程度の現場にインタビューを実施。設備担当者からは「休日でも何か問題があると呼び出される」「設備がきちんと動いているか心配なので、家でも携帯電話が手放せない」などの声が上がり、「製造業にとって機械を止めないことは一丁目一番地とも言える大事な仕事。その分、設備担当者には大きなプレッシャーがかかっている」(河内氏)と訴える。

 一方で、社会課題とも言える働き手不足の問題も深刻だ。「日本における労働力不足に対し、設備メンテナンスに関わる技術者の減り方は1.5倍のペースとも言われている。60代以上の方が占める割合も高く、5年以内に引退する方がかなり多い状況。人手の確保や高齢化に伴う技術伝承は喫緊の課題になっている」(河内氏)と明かす。

 こうした市場を背景にカミナシ 設備保全では、工場内にある設備に二次元コードを貼り、スマートフォンで読み取ることで故障箇所の概要から詳細、該当箇所の画像や動画(今後のアップデート対応)などが記録できる仕組みを採用。現場の担当者が故障の概要を示すことで、設備保全担当者は現場に行く前に、故障内容をある程度把握できるほか、故障の詳細を簡単に記録できることが特徴だ。

 既にベータ版を先行導入したデイリーフーズメーカーのオイシスでは、記録数が従来の4倍に増加したとのこと。オイシス 生産本部の仲淳平氏は「故障対応後の記録は、事務所に戻ってからPCで書き込んでいた。それでは細かい部分を省いてしまったり、小さな故障であれば記入すること自体を忘れてしまったりするケースがあった。カミナシ 設備保全は、スマートフォンを使いその場から記録できるため、現場で楽に使える」と使い勝手の良さを強調する。

 オイシスでは今まで、台帳や修理履歴、タスク管理、備品管理などをExcelベースなどで管理していたとのこと。加えて、現場から上がってきた修理箇所などは紙でやりとりされるケースもあり、「保全担当者にきちんと伝わっているかどうか分からない」という課題もあったという。

 河内氏は「99%の設備トラブルは、小さな劣化や汚れ、傷、小規模の停止など微欠陥から中欠陥に該当する。しかし、これらが積み重なり大欠陥になると言われている。そのため、いかに微欠陥、中欠陥の段階でブラックボックス化しているものを可視化し、小さな予兆の段階で手を打てるかが、設備故障を減らしていく上で非常に重要になってくる」と予防保全の重要性を説く。

 ターゲットとして大手の製造業を挙げるが、「実際には十数人の規模の企業でも導入が数社進んでおり、思った以上に広いニーズがあることが見えている。今後は、道路や鉄道などのインフラや学校設備なども対象になってくると考えている」(河内氏)とする。

 設備保全ジャンルにおいて後発になることについては「クラウドサービスかつモバイルファーストで作られた使いやすさを打ち出していきたい。ユーザーインターフェース/ユーザー体験(UI/UX)の良さは強みなると思う。カミナシ レポートなどと連携し、人を育て、予防保全を浸透させ、設備の故障を減らすまで一気通貫でできるプレーヤーはカミナシが唯一だと思っている」(河内氏)とした。カミナシ 設備保全は、2030年6月までに登録設備数10万台を目指す。

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