Apptronik、人型AIロボットの実現に一歩前進–3億5000万ドルの資金調達が後押し
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AIを搭載した人型ロボットが人間と共存し、人間の作業負荷を軽減するというアイデアは、サイエンスフィクション(SF)映画のように思えるかもしれない。しかし、企業は長年にわたりその開発に取り組んできた。例えば、2016年初めに設立されたロボティクス企業のApptronikは、身長5フィート8インチ(約172cm)、体重160ポンド(約72.6kg)の汎用(はんよう)ヒューマノイド(人型)ロボット「Apollo」の開発を進めている。同社の最新の資金調達により、このロボットの展開がさらに加速する見込みだ。
米国テキサス州オースティンに拠点を置くApptronikは米国時間2月12日、Apolloの展開、企業運営の拡大、チームの成長、イノベーションの加速に向けた3億5000万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを完了したとプレスリリースで発表した。この投資はB CapitalとCapital Factoryが共同で主導し、GoogleのAI企業であるDeepMindも参加した。
「Apptronikによって、人型ロボットが災害救援や高齢者介護の支援、宇宙探査、医療の進歩など、さまざまな社会的課題の解決において重要な役割を果たす未来が実現するだろう」と、B Capital 会長 兼 ゼネラルパートナーのHoward Morgan氏は述べた。
この投資により、ApptronikはApolloの多種多様な形態を探求し、フルスタックロボットプラットフォームの開発を進める。また、ロボットの能力を強化することで、物流や製造、高齢者介護、ヘルスケアなど、さまざまな業界で幅広く活用できるようにする計画だ。
加えて、資金は「急増する顧客需要」に応えるためにApolloの製造拡大に使われる予定だ。プレスリリースによると、自動車、電子機器製造、サードパーティー物流業者、飲料の製造・配送、消費者向けパッケージ商品など、多岐にわたる分野に受注が広がっているという。
Apptronikの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のJeff Cardenas氏は、「最先端のAIと対話に特化したハードウェアを組み合わせることで、ロボットが成長を促進する真のパートナーとなる未来を築いている」と述べた。
Apptronikは2022年、米航空宇宙局(NASA)と協力してApolloの開発を開始した。当時、NASAはApolloが月や火星などの有人ミッションの基地設立に役立つ可能性があると発表した。
その翌年、ApptronikはMercedes-BenzとGXO Logisticsとの商業契約を締結し、Apolloのアルファ版をリリースした。また、ApptronikはDeepMindと提携し、同社のAI技術をApptronikの人型ロボットプラットフォームに統合した。今回の新たな資金調達によって同社は勢いを増し、複数の大手企業や新興企業が参入する人型ロボット市場で優位に立つことが期待される。
Teslaもまた、「Optimus」という名の人型ロボットを所有しており、Teslaボットとして知られている。AI、ロボット工学、製造、ITなど、数十の職種で求人を行い、開発を強化している。同様にOpenAIでは、2024年11月に入社し、現在はロボティクスおよび消費者向けハードウェアチームを率いているCaitlin Kalinowski氏が、同社初となるロボティクスハードウェア関連の求人を開始したと報告している。その職種には、電気工学センシングエンジニア、ロボット機械設計エンジニア、テクニカルプロダクトマネージャーが含まれる。
さらに、OpenAIは1月31日に米特許商標庁に商標登録を申請している。その内容には、「ユーザーがプログラム可能な人型ロボット(未組立)」や「人々を支援し楽しませるためのコミュニケーションおよび学習機能を持つ人型ロボット」など、多くのハードウェア製品に関する記述が含まれていた。
この2年間でAI分野が急速に発展したことで、人型ロボットの実現がより現実的になってきた。その結果、人型ロボットが誰にとっても安全で有用なものとなることを目指し、近い将来に多くの進歩が期待される。