DeepSeekの使用を禁止する国や地域が増加–その理由は?
今回は「DeepSeekの使用を禁止する国や地域が増加–その理由は?」についてご紹介します。
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世界各地の規制当局が、物議を醸しているDeepSeekに対して、続々と対策に乗り出している。同社は、2種類の人工知能(AI)モデルを開発して業界を揺るがしている中国のスタートアップ企業だ。
韓国の個人情報保護委員会(Personal Information Protection Commission:PICP)は現地時間2月18日、DeepSeekが韓国のデータ保護要件を満たしていないことを理由に、同社のチャットボットを「Google Play」とAppleの「App Store」から削除したと発表した。PICPはDeepSeekに対し、この2つのアプリプラットフォームでアプリの提供をいったん中止するよう要求し、DeepSeekもこれに同意したという。
この措置により、DeepSeekのアプリを新たにダウンロードすることはできなくなったが、デバイスにダウンロード済みのアプリが削除されることはない。また、インターネット経由であれば、韓国ユーザーは依然としてこのチャットボットにアクセスできる。
数週間前には、韓国の産業通商資源部も、同じセキュリティ上の懸念から、このアプリの使用を一時的に制限した。ただし、DeepSeekが韓国のデータ基準を順守していることを証明できれば、この政府機関のデバイスでの使用禁止についてもアプリの提供中断についても、再検討されることになる。
また、オーストラリアと台湾が政府職員に対して同様の予防措置をすでに講じているほか、米航空宇宙局(NASA)や米海軍といった米国の政府機関も、DeepSeekのアプリやウェブサイトの使用を制限し始めた。米議員らは、この制限措置をすべての政府機関のデバイスに広げようとしている。
1月には、イタリアがDeepSeekに対し、ユーザーデータの取り扱いを制限するよう命じた。もっとも、その影響やDeepSeekの命令順守状況は不明だ。イタリアの情報保護機関であるGarante per la protezione dei dati personali(GPDP)は現在、DeepSeekが欧州の一般データ保護規則(GDPR)を順守しているかどうか調査している。
こうした禁止措置の広がりは、「ChatGPT」が2022年にリリースされてからの数カ月間に一部の国や地域で見られた初期の状況と似ているが、当時はデータ漏えいやセキュリティ上の懸念が理由とされた。DeepSeekに関しては、セキュリティ企業のFeroot Securityが2月初め、ユーザーの機密データを中国移動通信(China Mobile)など中国政府系企業に転送する仕様がコード内に含まれていたことを発見している。China Mobileはセキュリティ上の懸念から、米国での事業を長年にわたって禁止されている企業だ。
一部のセキュリティ企業は、DeepSeekの暗号化対策が不十分だとして、同社のアプリのダウンロードを禁止するよう企業や組織に勧告している。