ローカル5Gで広大なサーキットを網羅–NTT ComらがHD映像伝送実験を公開
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NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とアルプスアルパイン、双日テックイノベーションは3月11日、モータースポーツなどが行われるモビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)に構築したローカル5Gの通信設備による実証実験をメディアに公開した。大容量・低遅延で安定した通信を可能とするローカル5Gの活用を示した。
ローカル5Gは、通信事業者が全国で提供する「キャリア5G」と同様の技術を用いて、企業や自治体などが特定のエリア内で5G通信を行えるもの。利用には、キャリア5Gと同じく通信設備や総務省の無線免許などが必要だが、不特定多数が使うキャリア5Gのサービスとは異なり、専有的に大容量・低遅延で安定した通信を利用できるため、例えば、プラント設備の監視、制御を行う無線インフラや、大規模イベントでの一時的な通信サービスの提供をいったさまざまな用途がある。
実証実験が公開されたモビリティリゾートもてぎは、栃木県東部の山中にあり、都心から車で2時間半ほど。楕円(だえん)形の周回路のオーバルコースと、複数のカーブや直線で構成された通常のサーキットの2つを組み合わせた世界的にも珍しい構造で、オーバルコースとサーキットが立体交差する場所が複数ある。平日の日中はのどかで静かだが、レースが開催される週末には数万人が来場し、オートバイレースの世界選手権「MotoGP」の開催時には10万人以上にもなる。
モビリティリゾートもてぎの周辺は、全国各地と同じくNTTドコモなどの通信事業者の携帯電話サービスが提供されている。上述のように、平時とイベント時では利用規模が大きく異なり、常設の基地局だけでは安定した通信サービスの提供が難しくなってしまう。そこで、ローカル5Gの活用が期待されるという。
NTTコミュニケーションズで先端技術の研究開発やビジネス共創などを担当するイノベーションセンター長の友近剛史氏によると、数万人規模のサーキットのイベント時は、例えば、「QRコード」による入場手続き時に通信が不安定になり長時間を要してしまうことや、キャッシュレス決済時の通信も不安定になり決済完了にもたつくなどファン体験を著しく低下させてしまう。また最近は、レース車両に搭載した高精細カメラの映像を配信するなど、スムーズでリアルタイムな臨場感あふれるレースファン向けサービスも高度化しており、5Gのような通信インフラが不可欠になっている。