アップル、「AIドクター」の“診療”を来春にも開始か
今回は「アップル、「AIドクター」の“診療”を来春にも開始か」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
AppleはAIとヘルスケア分野での存在感を増しており、これらの分野において影響力の拡大を図っている。同社は、健康管理アプリ「Appleヘルスケア」の強化を通して、これらの取り組みを一つにまとめる。Appleは、自社の製品群から収集されたユーザーの健康に関する洞察を統合し、実現可能かつパーソナライズされたアドバイスの提供を図る。
Bloombergの特派員であり、AppleウォッチャーでもあるMark Gurman氏は、同氏のニューズレター「Power On」の最新号で、「Project Mulberry」の詳細を伝えた。Project Mulberryとは、Appleヘルスケアのコードネームであり、同アプリは患者の生体データに基づいて医師の洞察を再現するAIエージェントを搭載している。
Project Mulberryにより、Appleヘルスケアは引き続き、「Apple Watch」やイヤホン、「iPhone」など、ユーザーが保有するAppleのデバイス群からデータを収集する。その情報を基にAIエージェントは、健康状態を改善する方法について、各ユーザーに合った提案を行う。データはAIエージェントの訓練や応答の形成に活用され、Appleと提携している医師の洞察も含む。
その他の機能として、食品内容の記録や、iPhoneの背面カメラとAIエージェントを活用した運動フォームの改善指導などがある。動画の機能では、医師が特定の健康課題を説明し、生活習慣の改善を提案する。
Power Onの最新号によると、Appleは米カリフォルニア州オークランド近郊に施設を開設し、睡眠、栄養、理学療法、メンタルヘルス、心臓病学など、さまざまな専門分野を持つ外部医師が、こうした動画を作成できるようにするという。社内関係者の一部は同機能を「Health+」と呼んでおり、Appleは同機能を担う「権威のある医師」を探しているそうだ。
Gurman氏は数年前、当時「Project Quartz」と呼ばれていた同プロジェクトを初めて報道したという。同プロジェクトは現在、その重要性が増している。報道によると、早ければ「iOS 19.4」として、2026年の春または夏に提供が開始される見込みだ。
健康指標にAIを活用するというアイデアは珍しくなく、ほかのフィットネス用ウェアラブル端末メーカー数社も同様のモデルを製品に搭載している。例えば、Whoopは「ChatGPT」を搭載したAIエージェントを展開しており、ユーザーのデータに基づいてパーソナライズされた推奨事項や運動上の指導を提供する。
Ouraも追随し、米国時間3月31日に「Oura Advisor」の提供を開始した。同サービスでは、「Oura」の加入者を対象に対話型AIエージェントを提供。同エージェントは、スマートリングの利用を通して収集された生体データを用いている。
生成AIモデルは、健康データとの親和性が高いといえる。その理由として、大量のデータを迅速に処理する能力や、会話形式の問い合わせを理解し、回答を出力できる会話能力がある。この点を考慮すると、Appleの開発は大きなトレンドの一部であり、より多くのウェアラブル端末の企業が同様のAIサービスを自社製品に取り入れることが予想される。