AnthropicのAIエージェント向けプロトコル、OpenAIに続きグーグルも採用へ
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普段はライバルとしてしのぎを削る人工知能(AI)開発の大手3社が、今回ばかりは共通の基盤を見つけたようだ。
Googleは米国時間4月9日、X(旧Twitter)への投稿で、Anthropicの「Model Context Protocol」(MCP)をサポートすることを明らかにした。このプロトコルは、AIシステム(ここにはエージェントも含まれる)に、データストア、開発者スペース、ビジネスアプリケーションへのアクセスを可能にし、パフォーマンスを向上させるものだ。具体的には、「Gemini」の複数モデルとそのソフトウェア開発キット(SDK)でサポートを実施する。
今回の発表に先立ち、3月26日にはOpenAIがMCPを採用し、まずはSDKから対応を始めることを発表している。OpenAIの最高経営責任者(CEO)のSam Altman氏は、今後、デスクトップ版とアプリ内の「ChatGPT」でもMCPに対応する予定だとしたが、時期については明らかにされていない。
AIエージェントとは、広範囲のタスクの完了を支援し、特には自律的に動くこともあるアシスタントを指す。その拡大はとどまるころを知らず、その能力は驚異的な域に入りつつある。とはいえ、こうしたエージェントの質はアクセスできるデータ次第だ。特に、セキュリティが厳重なエンタープライズ環境では、各々のエージェントをシステムとデータソースに個別に統合する必要がある。これは面倒な作業なうえに、規模の拡大が困難になりやすい。
Anthropicが2024年の終わりにオープンソース化したMCPは、単一の標準を提供することで、この問題の解消をめざしている。AnthropicはMCPのリリース時に、「Googleドライブ」「GitHub」「Slack」といった、エンタープライズでよく使われているソフトウェア向けに、MCPが構築済みのサーバーも提供した。
Google DeepMindの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のDemis Hassabis氏はポストの中で次のように述べている。「MCPはよいプロトコルであり、急速にAIエージェント時代のオープン標準になりつつある。GeminiのモデルとSDKでサポートすると発表できて、胸躍る気分だ。MCPチーム、そしてこの業界の他の人たちと、これをさらに発展させていくことを楽しみにしている」と同氏は語った。
MCPを採用する企業にはほかにも、Block、Apollo、Zed、Replit、Codeium、Sourcegraphなどがある。エンタープライズレベルでもオープンソースツールの採用が拡大する動きは、テック業界における潮流の大きな変化がさらに進むことを示唆しているのかもしれない。特に、AIテクノロジーの次なるフロンティアとしてAIエージェントに投資する企業が増えてきている中ではなおさらだ。
ただし、GoogleがMCPをサポートする時期については、Hassabis氏が明らかにしなかった。