グーグル、Python開発者向けの差分プライバシーツール公開
今回は「グーグル、Python開発者向けの差分プライバシーツール公開」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
GoogleはOpenMinedと共同で開発した、Python開発者が差分プライバシーを利用してデータを処理できるようにする新サービスを公開した。
両社はこれまで、1年間にわたってこのプロジェクトに取り組んできたという。Googleは、このようなプライバシーインフラを無料で提供することは、研究者や政府、非営利組織、企業を含む世界の開発者コミュニティが、差分プライバシーを使用した新たなアプリケーションを構築して公開し、個人に関する情報を明らかにすることなく有益な知見やサービスを提供する上で役立つという。
Googleは差分プライバシーの取り組みを開始してから、この技術に大きな関心を持つようになり、Pythonで新しいオープンソースの差分プライバシーサービスをリリースすることになった。GoogleとOpenMinedの取り組みには、外部の専門家を訓練し、差分プライバシーの技術を活用する方法を学びたい人に教育できるようにすることも含まれている。
Googleのプライバシーおよびデータ保護オフィスプロダクトマネージャーであるMiguel Guevara氏は米ZDNetに対し、同社は2021年に、最も使いやすいエンドツーエンドの差分プライバシーソリューションを無料で提供するために、このPythonライブラリーを開発したいというアイデアをOpenMinedに伝えたと話した。すると同社は、すぐにこの誘いに応じたという。
「両社のエンジニアがライブラリーの設計と実装のために共同で行った作業に加え、OpenMinedは、差分プライバシーを自分のプロジェクトで使いたいという開発者のためのガイドやリソースを提供するために、トレーニングを受けた専門家を提供している」(Guevara氏)
Googleは、2019年にC++、Java、Go向けに、オープンソース版の基本的な差分プライバシーライブラリーを公開している。開発者らはすぐにこのプロジェクトに関心を持ち、自分のアプリケーションでこのライブラリーを利用したいと考えた。
Googleは、Arkhnなどの新興企業がこのライブラリーを利用し、病院がプライバシーを保護した形で医療データから学べるようにしているほか、オーストラリアの研究者がさまざまな科学研究にライブラリーを利用していると述べている。
Guevara氏は、「私たちはほかにも、実務者が差分プライベート情報の生成に使用するパラメーターの可視化やチューニングを行うための、新しい差分プライバシーツールをリリースする予定だ。また、私たちが、差分プライバシーをペタバイト以上のデータセットに効果的に適用するために用いているテクニックを紹介する論文も公開している」と述べている。
同氏は、研究者や開発者に対して、公開したツールを使ってフィードバックを寄せてほしいと呼びかけ、Googleは今後も、重要なプライバシー強化技術に誰もがアクセスできるようにするために投資を続けていくと述べている。