多角的なセキュリティサービスが好調、IIJが事業説明
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インターネットイニシアティブ(IIJ)は2月24日、セキュリティ事業の説明会を開催した。セキュリティ監視センター(SOC)を中核とする多角的なサービスが好調で、売上高も2桁成長を達成しているとした。
同社は、2016年にさまざまな事業部門に分散していたセキュリティのビジネスを統合した「セキュリティ本部」を創設。「wizSafe(ウィズセーフ)」というブランドを掲げて、サービスの多角化を進めてきた。現在は本部内に8つのサービス部門がある。
会見の冒頭であいさつに立った常務取締役 最高技術責任者の島上純一氏は、「コロナ禍で通信インフラの重要性が認識され、安全への要求が高まっており、セキュリティも同様。IIJのセキュリティサービスは、ネットワーク通信事業者、インターネットサービスプロバイダーとして提供する点がユニークであり、セキュリティ対策は創業時から取り組んでいる」と語った。
次に、直近1年ほどの動向についてセキュリティ本部長の齋藤衛氏が説明した。コロナ禍で企業のビジネス環境が大きく変わり、同氏によれば、企業間のビジネス的なつながりを悪用する「サプライチェーン攻撃」やIoT機器に対する攻撃、分散型サービス妨害攻撃(DDoS)やランサムウェア攻撃では、企業や組織の事業継続を脅かす脅迫手口を使うケースが増えている。
特に、IIJの通信インフラから見た場合、コロナ禍後に通信量が2~3倍に増加して現在もこの状況が続いているという。在宅によるリモートワークや遠隔地とのリモート会議など業務のさまざまな部分がオンライン化され、通信インフラの重要性が増すばかりとなっている。
業績動向については、2021年3月期のセキュリティビジネスの売上高が前年同期比12.7%増の184億2000万円で、セキュリティに関するシステムインテグレーション(SI)を加えると214億7000万円に達した。直近の2022年3月期は、第3四半期までの累計売上高が同18.7%増の161億5000万円、SIを含めて183億9000万円だった。
齋藤氏は、「顧客のニーズに即したセキュリティサービスとして受け入れられている」と述べ、多数のセキュリティ新サービスを展開したことも好調な業績につながっているとした。1月に、新リモートアクセスサービスの「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」を発表したほか、エンドポイント資産管理サービスではタブレット端末などのモバイル機器にも対応した。
またSOCサービスでは、同社が率先してインシデントの1次対応までを行う最上位メニューの「プレミアム」を追加。エンドポイント型脅威検知・対応(EDR)システムの導入代行もオプション提供しており、SOCサービスの新規契約の44%を占めるという。この他にもクラウドのセキュリティ設定状態を検査するサービスやセキュリティ教育サービスも好調だったという。
齋藤氏は、今後の方針として、インターネット接続サービスやモバイル通信、IoT基盤、Infrastructure as a Service(IaaS)など、同社のあらゆるサービスにセキュリティを組み込んでいくと説明。各事業部と連携を進めているという。
セキュリティ本部としては、オフィスや自宅、出かけ先などあらゆる業務の環境(ワークプレース)を保護するセキュリティ対策を展開していくとし、2023年にセキュアアクセスサービスエッジ(SASE)の新サービスを開始すると発表した。現在は事業開発中で、「今後のゼロトラストセキュリティ環境の運用をSOCで支える」などと特徴を紹介した。