ローコード開発はまだIT部門の負荷軽減に役立っていない
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ローコード/ノーコード開発は、過剰労働状態になっている開発部門を救ってくれるはずだと言われている。しかし、新たに発表された調査レポートによれば、現状はそこまで至っていないようだ。とはいえ、それでローコード/ノーコード開発の長期的なメリットが消えるわけではない。
Capterraの調査によれば、調査に回答したプロジェクトマネージャー319人のうち、ソフトウェア開発にローコード/ノーコード開発を使用しているマネージャーの39%は、最大の課題として、実際に変更を加える人材が不足していることを挙げた。同時に、ローコード/ノーコード開発を使用していないプロジェクトマネージャーも、このアプローチを使用していない最大の理由として、39%が実際に変更を加える人材が不足していることを挙げていた。
レポートの著者は、結論の中で、システムによってローコード/ノーコード開発に向いているものとそうでないものがあるとした。調査に回答したマネージャーの31%は、ローコード/ノーコード開発を使用する際の最大の課題は、今あるソフトウェアをカスタマイズする能力が限定的であることだとしている。
面白いのは、一般にはローコード/ノーコード開発はシチズンデベロッパーのためのツールだと思われているが、現時点の主なユーザーはITの専門家であることが判明したことだ。回答者の60%は、これらのツールの使用者としてIT部門を挙げており、42%はビジネスアナリストを、41%は部門長や監督者を挙げていた(訳注:複数回答が可能な設問のため、合計は100%にならない)。Capterraのアソシエイトプリンシパルアナリストであり、レポートの著者であるOlivia Montgomery氏は、「ローコード/ノーコード開発はまだ新しい手法であるため、多くの企業は、IT部門以外の人材リソースに対してソフトウェアシステムに変更を加える許可を与えることをためらっている」と述べている。「実際、ローコード/ノーコード開発を使用していない企業の23%は、使用していない理由として、IT部門が構築しテストしたものではない機能のリスクや、取り扱いミスの恐れがあることを挙げていた」
業界関係者は、高いストレスを受けている組織がローコード/ノーコード開発から得られるメリットを声高に訴えているが、このアプローチには限界があり、多くの場合は短期的な解決策にしかならないとも指摘している。O’Reilly Mediaの新興技術関連コンテンツ担当バイスプレジデントMike Loukides氏は、「ローコード開発はそのような『アプリケーション』には使用されないだろう」と述べている。「むしろ、データは持っているが、これまではそのデータを生かすためにプログラミングが必要であることが障害になっていた現場にいる人々によって、具体的な問題を解決するために使われるようになると思われる。プログラミングが障害にならなければ、疑問が出てくるたびにそれを解決するためのソフトウェアを作り、目的を果たしたらそのソフトウェアを捨てることもできる」