日本企業のニーズに寄り添う–サイオステクノロジー、国産SaaSの強みを解説

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 サイオステクノロジーは報道関係者向けの勉強会を開催し、業務プロセスの最適化を支援する「Gluegent Flow」をはじめとしたSaaS「Gluegentシリーズ」について説明するとともに、国産SaaSの利点を解説した。

 同社は2008年にGluegentシリーズを展開するグルージェントを子会社化し、2020年に吸収合併した。現在はサイオステクノロジーの事業の一つとして、同シリーズの開発や販売を行っている。

 同シリーズ提供のきっかけは、サイオステクノロジーの「Google」販売事業にある。当時はグループウェアとしてGoogleを販売していたが、顧客からは「決裁のワークフローや組織の階層表示など、従来のグループウェアに搭載されていた機能がない」という指摘を多数受けたそうだ。そこで同社は日本企業ならではのニーズを考慮し、Googleの拡張アプリケーションとしてGluegentシリーズの開発に至ったという。

 勉強会に登壇した執行役員 Gluegent サービスラインヘッドの有馬大介氏は「われわれも日本企業。このようなお客さまの声は痛いほど分かる。ならば国産SaaSとしてお客さまの声に耳を傾けようと機能の開発にまい進してきた」と説明した。

 Gluegentシリーズは、「働く人が能力を最大限に発揮できる環境づくりを支援する」というコンセプトを掲げている。同シリーズは、業務プロセスの最適化を支援するGluegent Flowを中核に据える。同サービスには2つのパッケージがあり、「Google Workspace」「Microsoft 365」という代表的なグループウェアに対応するGluegent Flowのほか、「LINE WORKS」「Chatwork」「slack」といったコミュニケーションツールに対応する「Gluegent Flow+」もある。

 Gluegent Flowでは、申請に関する日本企業特有のニーズにきめ細やかに対応してきたという。例えば「ファイルをたくさん添付したい」という要望には、複数の添付に対応するほか、ファイルの容量も無制限とした。加えて、申請の通知を各グループウェア/ツール上で行ったり、情報を安全に管理するための国際規格「ISMS認証」を取得したりした。

 有馬氏は「働き方改革やテレワークの推進、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務の変化に伴いSaaSの導入が加速しているが、定型業務や分断された業務が『非効率』を量産している。海外SaaSでは柔軟な機能設定ができず、企業ではこれまでの業務の形を無理やり変化させることで、さらなる業務が生まれている」と指摘。その上で「こうした定型業務や分断された業務をきめ細やかな機能で解決することが、国産SaaSが取り組むべきことである」と語った。

 Gluegent Flowでは2023年度、顧客のデジタライゼーション(個別の業務/製造プロセスのデジタル化)を支援するため複数の機能追加を予定しており、その一つに「JIIMA認証対応サービス連携」がある。

 電子帳簿保存法改正により、2024年1月から電子取引データの保存が義務化される。Gluegent Flowと連携可能なグループウェアであるGoogle WorkspaceとMicrosoft 365は電帳法の要件を満たしていると示す「JIIMA認証」を取得したが、日本企業での運用には十分に適していないという。例えば、どちらのサービスでもファイルをストレージに保存する際の手順はマニュアル化されているが、上長や経理担当者に承認してもらうフローが考慮されていなかったり、ユーザーがファイル名の変更やラベルの付与をしなければいけなかったりする。

 そこでGluegent Flowでは、電子取引データにまつわる承認フローの構築と運用負荷の軽減に取り組んでいる。まずはGoogle Workspaceを対象に、電子データの保存先である「共有ドライブ」との連携機能を強化する。既に共有ドライブへのファイルアップロード機能は提供しており、2023年3月中にファイルへのラベル付与を自動的に行う機能を提供する予定(図1)。Microsoft 365に対応した機能も年内の提供を見据えているという。

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