バンダイ、AWSで「たまごっち」をIoT化–メタバース機能を提供
今回は「バンダイ、AWSで「たまごっち」をIoT化–メタバース機能を提供」についてご紹介します。
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バンダイは6月6日、人気玩具「たまごっち」の最新モデル「Tamagotchi Uni」を7月15日に世界で同時発売すると発表した。同社はTamagotchi UniにWi-Fiを搭載し、Amazon Web Services(AWS)の「AWS IoT Jobs」を用いてメタバースサービスを提供する。AWSジャパンも同日、Tamagotchi Uniへのサービス提供を明らかにした。
Tamagotchi Uniは、内蔵するWi-Fiを利用して、たまごっちたちがメタバース空間「Tamaverse(たまバース)」にお出かけできるようになり、世界中のユーザーのたまごっちとたまバースで交流可能になる。また、常に新しいイベントやアイテムの配信コンテンツをダウンロードでき、世界中のたまごっちと競ったり協力したりするイベントを世界同時に開催可能になった。
この機能は、バンダイとクラウド開発パートナーのフェニシスが「AWS IoT Jobs」などのサービスを活用して開発したという。AWS IoT Jobsは、たまごっち端末のファームウェア更新に使われている。
AWSによると、たまごっちのIoT化では、(1)Tamagotchi Uniの安全な接続を保証できること、(2)100万台以上のグローバルな接続のためにリソースのスケーリングや負荷分散ができること、(3)運用コストを最適化できること――が要件になった。しかし、AWS IoT Jobsでは、時間当たりに配信できるジョブ実行最大数のデフォルト値が毎分1000台で、全てのTamagotchi Uniに適用を終えるまで長時間を要することが見込まれた。ジョブ実行の最大数は調整できるが無制限ではなく、全ユーザーへの同時配信は不可能だとしている。
このため配信計画を見直し、全ユーザーが同時にTamagotchi Uniを稼働させるわけではないとの想定に基づいて、ファームウェア更新の問い合わせを実行したユーザーから優先して更新版のファームウェアを順次配信する方針にしたとのこと。また、配信対象を「モノ」ではなく「動的グループ」と規定した。動的グループでは、ファームウェアが「初期バージョン以上」「ファームウェアバージョンが配信対象の最新バージョンではない」などの条件を設定し、条件に該当するモノを自動で検索、動的に追跡できるようにするなどの工夫を図っているとしている。
また、Tamagotchi Uniからのファームウェア更新確認の通信頻度が過大にならないよう、Tamagotchi Uniに対するファームウェアの更新通知を最適化するプロセスや関数なども工夫している。最終的には、Tamagotchi Uniと同様のアクセス挙動を行う仮想機器を大量に用意して負荷試験を実施し、このファームウェア更新のサービスに問題がないことを確認したという。
Tamagotchi Uniでのサービスは、「AWS IoT Core」「AWS IoT Device Management」「FreeRTOS」「AWS Lambda」「Amazon DynamoDB」「Amazon S3」「Amazon Timestream」を用いたサーバーレス環境で構築されている。