「GitHub Copilot」が再定義する開発現場の生産性–パナソニック コネクトに見る効果
今回は「「GitHub Copilot」が再定義する開発現場の生産性–パナソニック コネクトに見る効果」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
開発者向けプラットフォームを提供するGitHubの日本法人であるギットハブ・ジャパンは8月30日、ソフトウェア開発における生産性に焦点を当てた記者説明会を開催した。
現在、ソフトウェア開発の歴史において最も重要な転換点に突入していると同社でリージョナル ディレクターを務める山銅章太氏は述べ、ソフトウェアがあらゆる産業においてビジネスを推進し、その開発は企業のデジタル資産を構築・維持する上で重要な役割を担ってきているとする。
その一方で、ソフトウェア開発者の仕事は、求められる機能やセキュリティにより増加・複雑化している。企業も、開発者の採用において人材不足に直面している。調査によると、日本におけるIT人材の不足は2030年に最大で79万人に達することが予想されているという。このような背景から、開発者が仕事に没頭でき、イノベーションを加速し、幸福度度を高められるツールが求められており、その答えは生成AIにあると山銅氏は語る。
GitHubが提供する開発者向けAIツール「GitHub Copilot」は、150万人以上のソフトウェア開発者に利用され、開発現場における生産性や開発フローの再定義に役立っているとの声も多いという。
GitHub Copilotは、世界で30億行超えるコード生成に活用されており、世界で最も広く採用されているAI開発ツールだと山銅氏。Stack Overflowの調査では、この1年間にGitHub Copilotを使用経験があるとの回答が55%だったことから、最も使用されたAI開発者ツールに選ばれている。
GitHubの調査では、開発者がGitHub Copilotを使って55%以上速くコードを書いていることが分かっている。GitHub Copilotは、全てのプログラミング言語において、開発者のコードの平均46%をサポートしており、「Java」では61%に上るという。60~75%のユーザーは、GitHub Copilotの使用により仕事にやりがいを感じ、コーディング時のイライラが減り、より満足度の高く仕事に集中できるようになったと回答している。
GitHub Copilotは、「Visual Studio Code」といったエディターの拡張機能として開発され、AIペアプログラマーとしてコードを提案する。例えば、「アルゴリズム:エラトステネスの篩(ふるい)」「与えられた数字以下の素数を表示する関数」というようなコメントと関数名を書くだけで関数の内容を記述する。提案されたコードの採用・不採用を最終的に判断するのは開発者だが、実装の手間を省くことに貢献するとカスタマーサクセスアーキテクトを務める服部佑樹氏は述べる。
企業での利用において要望の高いものが「面倒なテスト工程をAIに書かせる」という用途だという。そのような場合でも、テスト対象となるコードを読み、文脈を判断し、テスト内容を提案する。とはいえ、完璧なコードを提示するというよりは、開発者のパートナーとして「このようなコードはどうですか」という提案をしてくれるのがGitHub Copilotだと服部氏はいい、求めるコードをAIからいかに引き出すかが開発者にとっては大事になると続ける。
コードの提案はエディター内でなされるため、開発者は、コードの記述に必要な情報を得るためにウェブブラウザーに切り替える必要がなくなり、作業をエディター内で完結できる。このようなことから、GitHub Copilotは、開発者の集中力を維持し、生産性を向上することに寄与する服部氏は強調する。
企業向けプランである「GitHub Copilot for Business」は、2023年2月に一般提供されて以来、世界で2万7000以上の組織で利用されている。日本では、小売から製造までさまざまな業界で使われており、ZOZOやパナソニック コネクトといった企業を山銅氏は挙げる。定型的なコード生成の時間を減らす、または、品質の良い製品を市場に早く出荷するために開発ワークフローをブラッシュアップするといったことに役立っているというコメントを得ているという。