教育現場ならではのニーズに応えたLinuxディストロ「Escuelas Linux」
今回は「教育現場ならではのニーズに応えたLinuxディストロ「Escuelas Linux」」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「Escuelas Linux」(「Escuela」はスペイン語で「学校」の意味)は教育現場での利用を想定した無料のOSであり、幼稚園/保育園から高校に至るまでの学びと成長を支援するさまざまなツールを提供している。また、とりわけ便利な機能が1つあり(詳細は後述)、「Enlightenment」デスクトップ環境を活用した効率的でユニークなインターフェースを実装している。
Escuelasは、Linuxプラットフォームを学習したり、特定の題材について学ぶためのOSを使用する個人のみを対象にしているわけではない。このディストロは、学生たちのデスクトップを簡単に管理する方法(これについても詳細は後述)を模索している教育現場をも対象としている。
Escuelasはセキュリティに対するスタンスも異なっている。このディストロは個人ごとにユーザーアカウントを作成するようにはなっていない。パスワードが設定されておらず、ログイン(login)もないベースアカウント(Linux)を1つ作成するだけだ。つまりOSは起動時に、全てがあらかじめ設定されているLinuxアカウントを自動的に実行するようになっている。学生たちは、このデスクトップ環境を通常のデスクトップ環境と同じように操作できる。ただ、「sudo」コマンドは利用できないため、アプリケーションをインストールしたり、「/etc」ディレクトリー(や書き込み保護が設定されたその他のディレクトリー)内のシステムファイルに変更を加えたりすることはできない。受け持っている学生が、少しばかり冒険的なことをしようとしても、実行してはいけない操作はできないようになっている。さらに、このデスクトップはロックダウンもされない。
「Linux」というユーザーに対するパスワードは存在している。そのパスワードは、お察しの通り「linux」だ。もちろんこのことを学生に教えておく必要はない。
Escuelasは筆者お気に入りのディストロである「Bodhi Linux」から派生している(Bodhiも「Ubuntu」をベースにしたディストロだ)。このため、正統派の道を歩んでいると言えるだろう。また、デフォルトのデスクトップがBodhiのそれほど美しくないとはいえ、学生用としてはまったく問題がない。
デフォルトデスクトップ上にはアナログ式の時計や「pager」(仮想デスクトップ間の切り替えが可能になる)、ファイルシステムのモニター、疑似システムトレイ(メディアプレーヤーや、クリップボード、ネットワーク設定、電源ボタンが搭載されている)、アプリケーションのクイックランチャーを含んだドックがある。
デスクトップ上でマウスの左ボタンをクリックすると、メインメニューが表示され、そこからアプリケーションの起動や、設定の変更などが行える。