従業員による積極的なデータ利用を実現–適切なデータ文化を形成する3つの方法
今回は「従業員による積極的なデータ利用を実現–適切なデータ文化を形成する3つの方法」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
現代の企業はデータで動いている。組織運営の効率化から、新しい顧客体験の創出、人工知能(AI)などの新興技術の活用まで、企業はデータを業務プロセスの中心に据える必要がある。
情報から洞察を引き出す能力で企業の成功と失敗が決まるデジタル時代においては、従業員が自信を持ってデータを扱える企業文化にしなければならない。3人のビジネスリーダーが、その文化を作り出す方法を説明した。
フランスの小売企業EtamでグローバルデータおよびクライアントIT部門のディレクターを務めるSophie Gallay氏によると、適切なデータ文化の形成には3つの要素が関連するという。
第1の要素は、社内の人間に日常業務でデータを使用する方法を確実に理解させることだ。「私の仕事で最も重要な部分は、データ基盤やユースケースを扱うことではない。ビジネスチームをサポートして、このデータを自分たちのプロセスで使用する方法を理解できるようにすることだ」とGallay氏は語る。
同氏は米ZDNETに対し、データの重要性に対する共通理解を形成するには、それ専用の計画が必要だと述べた。「文化はロードマップで1番後回しにされがちだ。おまけのように扱われることが非常に多い。『時間と予算があれば、何かトレーニングをやろうか』と言われるが、ほとんどの場合、まず文化に取り組むべきだ」とGallay氏。
「組織をデータ駆動型にしたいというなら、『データ』の部分を重視しすぎないように注意し、『駆動型』の部分にもっと力を入れることが重要だ」
第2の要素は基幹業務チーム内にデータの支持者がいることだ、とGallay氏は語る。「ITチームから文化を無理やり変えることはできない。ビジネスチーム内に代表者がいる状態で、データ文化をほぼ有機的に浸透させる必要がある」。同氏はこのように述べた。「したがって、適切な支持者を選ぶことが重要だ。そして、これらの支持者を後押しして、ビジネスチーム内で適切なサポートを得られるようにする必要がある」
第3の要素は経営陣による支援だ、とGallay氏は述べた。ビジネスリーダーやデジタルリーダーが変化を強制することはできない。彼らの上司からの後押しが必要だ。
「取締役会がこのデータ主導の変革とそれに伴うすべての取り組みをサポートしなければならない。マネージャーやディレクターが同じ目標を共有していなければ、横断的な変革は起こらないだろう」とGallay氏。「この経営陣による支援は、単に社内政治の問題ではない。取締役会の支持を取り付けて、この変革をトップダウンで、専用のビジネス戦略によって推進してもらうことが極めて重要だ」
外国為替を手がけるTravelexで最高経営責任者(CEO)を務めるRichard Wazacz氏によると、IT業界では企業がデータレイクを最大限に活用する方法が大きな話題になっているという。Wazacz氏は別のアプローチをとり、レイク(湖)ではなくパドル(水たまり)を作ることを好む。
「小さなことから始めて、何ができるかを証明し、組織に自信をつけさせて成熟度を高めながら、より大きな問題に取り組んでいく」とWazacz氏。同氏は米ZDNETに対し、それぞれのデータパドルを具体的なビジネス課題に関連付ける必要がある、と語った。この解決策が実証されたら、より大きな問題へと進むことができる。
「パドルが役に立っているという自信をつけよう」と同氏は述べた。「1つのデータセットが別のデータセットを理解するのに役立つという相関関係と、その手段が常に存在する。やがて、いくつかの池が合体して小さな湖になるときがくる。そうなれば、もっと大きな湖を作ることができる」