ドキュサイン、SaaS型契約管理システムを国内提供–全工程をデジタル化
今回は「ドキュサイン、SaaS型契約管理システムを国内提供–全工程をデジタル化」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ドキュサイン・ジャパンは、日本における契約の現状と新プラットフォーム「インテリジェント契約管理システム」(IAM)に関するプレス向け説明会を開催した。同社の年次イベント「Docusign Momentum24 Tokyo」に併せて実施された。
Docusignの概要を説明した最高経営責任者(CEO)のAllan Thygesen(アラン・ティゲセン)氏は、同社がDeloitteと共同で実施した調査の結果、「契約管理に関わる時代遅れのプロセスや分断されたシステムにより、毎年全世界で2兆ドル(約300兆円)近い経済価値が失われている」と紹介した。
その上で「契約管理はエンタープライズソフトウェアに残された最後のフロンティアだ」と語り、この分野を他社に先駆けて開拓する同社の意気込みを明確にした。同氏は日本を戦略的市場と位置付けて積極的な投資を行っていくことも表明しており、日本向けの取り組みとして「国内でのデータセンター開設」「Liquidのオンライン本人確認サービス『LIQUID eKYC』との統合に基づく本人確認ソリューションのリリース」「IAMの日本での本格ローンチ」の3点を発表した。
ドキュサイン・ジャパン 取締役社長の竹内賢佑氏は、日本における契約の現状について説明した。2024年9月に実施した「契約業務の現状に関する意識調査」の結果で、契約業務に携わる国内のビジネスパーソン843人を対象としている。
契約業務に関わる人の約8割が「契約業務は重要である」と回答している一方、約6割が契約書の内容を「完全には理解していない」と回答し、8割以上が契約業務を「面倒である」と感じたことがあると回答している。さらに、約半数が「契約書を交わす前、または全く交わさずに取引を行ったことがある」と回答し、約4割が「適切な契約書がない、または契約締結が遅れたためビジネスに影響があった」と回答しているという。
この結果を踏まえて竹内氏は「契約は全てのビジネスの根幹になると思っており、この結果を見て非常に危惧している」と語り、「口約束に基づいて、契約なしで取引を行ってしまう文化が日本にはまだ結構残っているのかと思う。ビジネスという観点ではリスクしかない」と指摘した。
同氏はこうした状況になる理由として、部分的にデジタル化されてもどこかのタイミングでアナログ作業が必要になり、煩雑で時間が掛かってしまうという問題を挙げ、「プラットフォームで全部の工程をデジタル化することで、漏れることなくアナログが介在することなく、リスクなしに解決できる」とし、同社が導入を表明しているSaaS型ソリューションIAMの価値を強調した。
日本市場向けの取り組みとしては、まず2024年9月に国内にデータセンターが開設され、運用開始されたことが紹介された。また、Liquidとのパートナーシップに基づき、署名プロセスの中で日本の運転免許証を利用した署名者の本人確認ができるようになる。
この本人確認機能は、2025年4月に提供開始予定。DocusignのIAMは、2024年4月に米国で発表された「エンドツーエンドで契約管理を行うための新プラットフォーム」であり「IAMという新しいSaaSカテゴリーのパイオニア」と位置付けられているとのこと。先行提供米国に続いて日本でも限定的な提供を開始し、2025年上半期にはAI関連機能などを追加する予定であることも公表された。